早期離職の防止にあたって、なぜ新人は辞めるのかを説明しました。早期離職の原因を知りたい方はご一読ください。現状を細かく分析しただけでなく、対策も導き出しています。
早期離職の防止とは何か?
早期離職とは、新卒者が就職後3年以内に仕事を辞めてしまうことを指します。これを放置してしまうと、離職した本人にも企業側にも大きなマイナスが発生することになるでしょう。そこで、何とかそれを防ぎたいわけです。
そのために必要なことは、まず原因を探ることでしょう。おそらく、大きく分けて3つになると思います。1つ目は社会的要因、2つ目は企業側の要因、3つ目は本人の要因です。先の2つは簡単に解決できませんので、当社では3つ目の要因に着目しました。
後で詳しく説明しますが、我々は早期離職する若者の多くに、社会人としての基礎が足りないと推測しました。では、どのような分析から導いた答えなのか詳しくご紹介します。
早期離職の防止、新人が辞める理由を分析しました。
それでは、新人が辞める理由を分析しましたのでご紹介します。早期離職の防止にあたって重要となりますので、しっかりと目を通してください。
当社が早期離職の防止に取り組む、その出発点とは?
まず、早期離職の防止に取り組む出発点についてお話しします。現代社会で問題となっているものとして、新社会人の早期離職があります。具体的には、就職後3年以内に3割以上が離職しています。これは、本人ばかりか社会にとっても損失が大きいといえます。
◎新社会人の高い離職率(厚生労働省データより)
- 3年以内…大卒は31.98%、短大等卒は41.96%を占める。
- 人数では…大卒は143,360人、短大等卒は62,832人に上る。
このような状況から、「彼らを何とかしてあげたい!」という想いが、ふつふつと湧いてきました。つまり、早期離職者を減らしたいわけですが、私たちに何ができるのでしょうか? 想いだけではどうにもなりませんので、まずは現状の分析から始めました。
なぜ、3年以内の離職率が高いのか?
なぜ3年以内の離職率が高いのか、その根本的な原因を考えるために、あるデータを調べてみました。それは、早期離職する若者の退職理由です。上位を占める退職理由を調べれば、何か分かるのではないかと考えました。
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となっていました。よく見ると、2・3位の理由だけ少し毛色が違います。これらは、本人の努力で何とかできそうです。しかし、1・4・5位は大部分が会社側に問題があると考えられます。なぜなら、本人がどれだけ頑張っても簡単には解決できない問題だからです。
例えば、労働条件や給料は会社が決めるものなので、どうにもなりません。また、ノルマ・責任は、一見すると本人の努力で解決できそうな気もしますが、新人に背負わせるにはあまりに過酷な条件なのだろうと想像できます(←かなりブラックな感じがしますね 汗)。
そこで、2・3位の理由をさらに深く掘り下げてみました。
退職理由の2位と3位を分析すると?
退職理由の2位と3位を分析すると、次のようなことが想像されました。
人間関係
人間関係については、コミュニケーション能力が低いのが原因ではないかと考えました。新人社員の場合、自分以外の人はほとんどが年上ということになります。すると、同世代としか会話したことのない人であれば、戸惑うことが非常に多くなります。
また、外回りや来客との会話についても初対面の方が多いので、いつも同じ仲間とばかり会話している人にとっては、難しいと感じるでしょう。つまり、根本的にコミュニケーション能力がないというわけではなく、仲間以外の人との会話に慣れていないと考えられます。
仕事が合わない
仕事が合わないという点については、社会人としての基礎知識が少ないと考えました。いわゆる若者言葉しか知らず、社会人が使う言葉がよく理解できないことが考えられます。すると、指示された仕事の内容や、書類に書かれた言葉の意味が分かりません。
同様に、『雑学』に乏しいと上司や先輩の指示内容を理解できなかったり、与えられた仕事のゴールをイメージできないということも生じます。社会に出ると、学校での学び以外の事柄が山ほど出てきますから、雑学もそれなりに必要であると考えられます。
このように、社会人としての能力不足が原因で、早期離職してしまうのではないかと想像されます。おそらく、学校では優秀な成績を収めている人も多いでしょうから、決して個人の能力が低いわけではないんです。あくまでも、社会人としての能力の不足なんです。
早期離職を防ぐために、何ができるだろうか?
私たちは、早期離職を防ぐために、何ができるんでしょうか? 離職の原因はおおよそ理解できましたが、これらをどのように解決へと導けばよいのか、検討してみました。
どうやら、社会へ出る準備ができていないのではないか?
まず考えられるのが、「どうやら、社会へ出る準備ができていないのではないか?」ということです。そもそも、就職するということは社会へ出るということです。ところが、社会へ出るための準備ができているかと問われると、「???」となるのではないでしょうか。
なぜなら、大学で勉強のできた「優秀な人」とそうでなかった人が社会に出ると、同等または逆の評価が下されることもあり得ます。社会で必要な知識や能力(私たちはこれを「社会人基礎力」と称しています)が問われるからです。
例えば、成績が1番だった人がいつまでも悩んで成果を出せないとします。一方、そんなに成績が良くなかった人が先輩からアドバイスを引き出し、あっという間に資料を作り上げたとすると、後者がより高く評価されます。社会とはそういうものですよね。
つまり、今まで学校で学んできたことでは全く歯が立たないということが、当たり前のように起こります。なので、就職する前に社会人になるための学びが必要であると考えられます。
大学・短大へ入る前はどうだったのか?
ここで、就職のひとつ前である、大学・短大へ入る前はどうだったのか考えてみましょう。大学や短大は受験があるので、対策として学習塾や予備校へ通った人は多いでしょう。これは別の見方をすれば、学校へ行くための準備をしていることになりますね。
ただ、学校の場合は入ってからも学ぶから、入るまでの勉強だけで済みます。ところが社会に出ると、いきなり働くことになり、学ぶ機会は自分で作るしかありません。誰も教えてくれないし、会社も近年は教えるための時間や費用が用意できるほどの余裕がありません。
すると、入社する前に自分で学んでおかないといけない人が、どうしても出てきます。ところが、そんなことを教えてくれる人も場所もありません。どうすればいいんでしょうか?
社会人になるために、何かをする必要がある。
「どうやら、社会人になるために、何かをする必要があるなあ。」このようなことを考えているうちに、ある結論に行きつきました。
「そうか、社会人になるための塾が必要なんだ!」
つまり、社会に出る前の準備をするために、教育機関が必要であるということです。ちゃんと準備ができたうえで社会に出れば、早期離職をゼロにはできなくても、かなり減らすことができるのではないでしょうか。
しかし、そのような点に着目して教育を行っている機関や団体は、今のところほとんど存在しません。「だったら自分で作ってしまおう」ということで、当塾の誕生に至りました。社会人になるための塾、これが我々の導き出した『早期離職を防止』するための答えです。
まとめ:大切なのは、社会人になるための準備です。
いかがでしたでしょうか?
早期離職の防止で私たちにできることについて説明しました。早期離職を少しでも減らしたいという想いから、離職理由の分析を行い、何を行えばよいのかというところで、塾の設立に至りました。早期離職の防止について、少しでもお分かりいただけたでしょうか。
途中説明しているので繰り返しになりますが、早期離職者は能力が劣っているわけではありません。社会人になるための準備ができていないだけなんです。例えば、スポーツも準備運動なしに行えばケガをします。つまり、社会人基礎力があれば対応できるのです。
ぜひその点をご理解いただき、早期離職の防止に目を向けていただければ幸いです。
以上、「早期離職の防止、なぜ新人は辞めるのか?」と題して説明しました。
こちらのページでは、具体的な対策についてお話ししています。