新入社員と会社の間に、意識のズレがある理由とは?

新入社員と会社の間に、意識のズレがある理由とは?

新入社員と会社の間にある、意識のズレについて説明します。読者対象は、新入社員の育成に携わられている方です。ズレの解消法だけでなく、新入社員との接し方についても詳しく解説しています。

新入社員と会社の間にある、意識のズレを知る意味とは?

「新入社員と会社の間にあるズレについて知りたい」と感じたために、あなたはこのページをご覧になられていると思います。確かに、新入社員が考えていることと会社が考えていることの間には、ズレがあるのではないでしょうか。

すると「近頃の若者ときたら…」となりがちですが、もっとしっかりと現状を把握して、新入社員を理解する必要があるのではないでしょうか。つまり、新入社員だけでなく、会社側もズレているのではないかと思うのです。

そこで、新入社員と会社の間にある意識のズレを考えていきましょう。

新入社員と会社の間には、どんなズレがあるのか?

それでは、新入社員と会社の間にある意識のズレについて説明します。5つのポイントに分けましたので、しっかり目を通してください。

新入社員はマナーを身につけたい

新入社員は、マナーをしっかりと学んで身につけたいという要望を持っています。なぜなら、学生の内は同級生や友達としか会話をしませんので、敬語(丁寧語・尊敬語・謙譲語など)や所作といった社会人に必要なマナーを普段から使っていないためです。

つまり、新入社員は社会に出ると様々な場面でマナーが重要になるという意識を持っていることがうかがえます。「会社の先輩や上司にタメ口はまずいだろう」とか、「お客さんに対して失礼があってはマズい」ということはわかっているわけです。

したがって、会社に対してマナー研修をやってほしいという希望があると考えられます。

参考:パソコン教育も要望があります

新入社員の要望としては、パソコンの扱い方に関する研修や教育も受けたいというものがあるようです。というのも、近年はパソコンの扱いに自信がない若者が増えているからです。ほとんどの人がスマートフォンを使うので、パソコンに慣れていないんですね。

したがって、ITそのものへのアレルギーは少ないと思われますが、それでもスマホしか使っていないという現実がありますので、パソコンの扱い方を学びたいと考える人が年々増えているという現実があります。

会社はコミュニケーション能力を身につけてほしい

一方で、会社としてはコミュニケーション能力を身につけてほしいという希望があります。なぜなら、上司や先輩が話しかけてもなかなかコミュニケーションが図れないからです。意思疎通は仕事をする上で極めて重要ですので、新入社員が身につけるべき能力です。

例えば、仕事はチームで行いますので、仲間同士で頻繁にコミュニケーションを図らないと仕事がはかどらないばかりか、納期に間に合わなくなることがあります。また、お客さんと意思疎通ができていないと取引がうまくいかず、信頼を失いかねません。

コミュニケーションは単に会話するだけでなく、「報連相」にも影響しますので、仕事だけでなく新入社員の悩み相談などにも関係します。なので、会社としてはコミュニケーション能力を身につけてほしいと思うわけです。

なぜ、このようなズレが生じるのか?

では、なぜ新入社員と会社の間で意識のズレが起きるのでしょうか? これは、双方それぞれに問題があります。

新入社員は社会人ではない!?

「新入社員は社会人ではありません」このように言うと、「あんた何を言っているんだ?」と突っ込みが入りそうですね。なのでもう少し詳しく説明すると、「新入社員は社会人になり切れておらずまだ学生気分」なのです。

おそらく、本当に社会人になれるのは早くても1年後、遅ければ3年後になるでしょう。これから少しずつ社会を学んで社会人になりますから、最初から会社が求めるものを理解しているはずがないのです(中堅社員でも怪しい人がいるかも?)。

したがって、新入社員には学生から脱皮して、社会人になってもらうための教育を行わなくてはいけないといえるでしょう。「あなたたちはこのように考えているかもしれないが、会社としてはこのように考えている」ということを教えてあげてください。

会社は新入社員を理解できていない!?

一方で、会社は新入社員を理解できていないと思われます。会社内では、ある意味で同じ時間が流れ続けています。したがって、外から新しい人が入ってきたときにこれまでのやり方でしか対応できていないのです。それが、理解を妨げていると思われます。

世の中の流れは異常に早くなっていますので、例えばスマホが使えてパソコンが使えない若者が増えているのは当たり前なのです。以前はネットを使うためにパソコンが必須でしたが、スマホがあればそちらで事が済んでしまいます。

つまり、会社としてはこれまでのやり方や考え方を踏襲するだけでなく、時代の流れに合わせて新入社員の性質を理解しなくてはいけないのです。コミュニケーション能力は不変で必要だとしても、その時々で新入社員のスキルは違うということを知っておくべきでしょう。

新入社員との接し方はどうすべきなのか?

では、新入社員との接し方はどうすべきなのでしょうか? 会社が最初にすべきことは、社会の流れに敏感になって、新入社員がどのような環境で育ってきたのかを把握することです。そうすれば、どのような接し方が有効なのかが見えてきます。

例えば、「ここ何年間の新入社員は電話を取らない」傾向があると思います。なぜなら、固定電話を使わないからです。ほとんどの人が生まれたときから携帯電話を使っていますので、知らない人からの着信には怖くて出られないのです。

そのような社会的背景がありますので、「何で電話に出ないんだ!」と怒っている時点で新入社員のことを何も理解していないことが分かります。今の時代に、「何でかまどで飯が炊けないんだ!」と怒鳴られたらどう思いますか? 時代錯誤だと思いますよね。

これまで何十年もかかっていた変化が数年で起こる時代ですから、毎年新卒を採用している企業であれば、年ごとに対応が変わることがあっても不思議ではありません。ぜひ、新入社員の育ってきた社会環境を考えて接するようにしましょう。

新入社員に対するフォローアップが重要です!

新入社員に対するフォローアップはしっかり行ってください。つまり、教えっぱなしやさせっぱなしにするのではなく、ちゃんとその後にうまくいったか声をかけてコミュニケーションを図ってください。なぜなら、新入社員はそれを望んでいるからです。

学生時代は年の離れた先輩と会話する機会がないので、就職後もなかなかすぐには話しかけられないものです。コミュニケーションが図れないと、新入社員がどのように考えているのか、何に困っているのかが分からず、ズレを埋めることもできません。

難しいことはいりませんので、新入社員に対して先輩や上司から積極的にコミュニケーションを図ることで、双方のズレを埋めるように努めるべきでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

ここまで、新入社員と会社の間にある意識のズレについて説明してきましたが、ご理解いただけましたでしょうか。新入社員はまだ学生なので、会社のことはよくわかりません。一方で、会社は従来のやり方を踏襲し続けているので、新しい人に対応できていません。

このように、新入社員と会社どちらにも意識のズレがあることが、お分かりいただけたのではないかと思います。新入社員のことをよく理解したうえで、積極的にコミュニケーションを図ることで、ズレを埋める努力をする必要があるのです。

「近頃の若者は…」と一方的に悪く扱うのではなく、会社側も努力すべきであることに、お気づきいただければ幸いです。

以上、新入社員と会社の間にある意識のズレについて説明しました。

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