新人研修の目的や目標設定、どうすればいい?

新人研修の目的や目標設定、どうすればいい?

新人研修目的や目標設定について説明します。読者対象は人材育成を担当されている方ですが、人事担当の方や経営者も参考になると思います。若い人の心理や教育についても触れているからです。

なぜ新人研修では、目的や目標設定が重要なのか?

「新人研修の目的や目標って重要なのかな?」と思われている方は、多いのではないでしょうか。新人は目的や目標など気にせず、言われた通りに教育を受けるのが当然だろうと考えている方が、いまだにいらっしゃるようです。しかし、それだとマズいんです。

なぜなら、研修は目的や目標がはっきりしていないと何の成果も生み出さないからです。言われたから受けているという状態では、何も身につきません。面白くない研修を適当にやり過ごして、ただただ時間を過ごすだけです。そこに何の意味があるのでしょうか?

本当に成果が上がる新人研修を実施するためには目的や目標を明確に設定し、受講者がそれに向かって努力しないといけないのです。そこで、新人研修ではどのように目的や目標を設定すればよいのか、具体的なお話をしていこうと思います。

新人研修の目的や目標設定を詳しく説明します!

それでは、新人研修の目的や目標設定について詳しく説明いたします。5項目に絞りましたので、しっかりと目を通していただければと思います。

何のための研修なのかを最初に説明する

新人研修を始める前に、そもそも何のための研修なのかを受講者に説明してください。特に受講者が新卒者の場合は重要で、研修によって何を掴んでもらいたいのか、どのような能力や知識を養ってほしいのかという目的や目標を伝えてください。

これが無いと、研修をただこなすだけになってしまい、何の成果も上がらない可能性がきわめて高いです。特に、最近の若い人たちは論理思考を養う教育を受けてきていますので、「これこれこうだからこの研修が必要です」という理由付けが必要なのです。

論理的な説明もなく「新人は黙って受けろ!」では、今時の感覚だとパワハラやブラック企業として認識されかねません。一方で、目的や目標に向かって頑張るのが得意な若い人は多いですので、その点を理解しておいてほしいと思います。

目的や目標の具体例

続いて、目的や目標の具体例をご紹介しますので、参考にしてください。

例1:研修内容を実践する

新人研修で最も重要なことは、社会人としての知識・能力を高めることや、会社の仕事を覚えることにあると思います。したがって、それが目的や目標になるわけですから、そこをしっかりと伝えましょう。受講することが目的ではないことを知らせるのです。

すると具体的な説明が必要になると思いますが、その際に「研修で学んだことを日々実践すること」を目標とすると無理が無いのではないでしょうか。もちろん、「しっかり受けてください」というだけでは弱いですので、工夫が必要です。

例えば、出社したら「元気よくあいさつする」という目標を設定します。そして、定期的にそれができたかどうかチェックするという具合です。こうすることで、研修がしっかりと身につくことになります。

なお、「研修をしっかり受けさせる」という意味では、これ以降説明する例が参考にしていただけると思います。

例2:数値目標を設定する

つい最近まで学生だった新卒入社の社員は、数値目標を掲げられることには慣れていると考えられます。例えば、「○○大学に入るには□点以上ないと厳しい」といったことを聞かされながら学校で学んできているからです。

もちろん、無理やり数値目標を決める必要はないですので、数値化が不可能な目標であればそのままで構いません。これも例えを挙げると、「できるだけ多くの人から名刺をもらってきなさい」という抽象的な目標の立て方はやめるべきでしょう。

もっと具体的にして、「最低でも5人の人から名刺をもらってきなさい」というように数値を示すようにします。相手は新人(しかも社会経験に乏しい新卒)ですから、数値目標と言っても最初のうちはこのような程度で構いません。

大事なことは、判断しづらい抽象的な表現をやめて、明確でわかりやすい具体的な表現を用いることです。すると、必然的に数値化という道をたどるわけですね。

例3:印象に残った言葉や内容を発表させる

研修を受けた後に、印象に残った言葉や内容を発表させるのは良いことだと思います。もちろん先ほど説明したように、研修の冒頭で「印象に残った言葉を最後に発表してもらいます」と事前通知しておきましょう。

最初に伝える理由は先ほどと同じで、目標や目的を伝えておくことで何のためにやっている研修なのかを理解してもらうことにあります。また、事前に目標を知らせておくことで、研修を適当に流して受けるようなことを防ぐ効果も期待できます。

印象に残った部分を発表しないといけないということは、研修を真剣に受けておく必要があるわけです。他にも、「研修から得られたものを発表する」という目標でも良いと思います。

例4:レポートを提出させる

発表が苦手な人もいると思いますので、レポートを提出するという目標にしても良いと思います。パソコンで作らせても良いし、手書きでも良いと思います。ただし、パソコンの場合はそれを扱えるだけのスキルが必要ですので注意が必要です。

入社直後の新卒社員の場合は、パソコンが全く使えない人がいる可能性があるからです。最近は、スマホが使えてもパソコンは使えないという人が一定数います。したがって、手書きを選ぶ人の数がわかるとパソコン教育の要・不要が分かるのではないでしょうか。

なお、レポート提出という目標の場合も同様で、研修の前にそれを伝えておけば内容をしっかりと聞いて身になると思います。ただし、レポートを書くことそのものが目的になってしまうと、良い文章を書くことを重視するかもしれません。

そこで、レポートの内容を工夫する必要があるでしょう。例えば、先ほどの説明のように、印象に残ったものを書かせるようにします。

まとめ

ここまで新人研修の目的や目標設定について説明してきましたが、いかがでしたでしょうか?

ポイントは、いかにして研修を身になるものにするかです。会社側も「受けさせるだけ」では意味がありませんし、受講側も「受けるだけ」ではやはり意味がありません。どんなにお金をかけても意識的に受けないと、研修は全く意味をなさないのです。

会社としても、お金をドブに捨てるような行為は不本意でしょうし、せっかくの研修が何の役にも立たないのでは社員が育ちません。受講する新入社員も何のために研修を受けたのか意味が見出せなければ、最悪の場合に早期離職しかねません。

別の見方をすれば、研修内容も意味があるものを実施する必要があるとも言えます。例えば滝行や座禅を実施するのであれば、それにどんな目的や目標があるのかを論理的に説明すべきです。当たり前に思えるパソコン教育であっても同様でしょう。

新人研修を有意義なものにするために、最初に目標や目的を伝えることの重要性をご理解いただければ幸いです。

以上、新人研修の目的や目標設定についてお話しいたしました。

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