リモート面接の、メリットとデメリットについて説明します。読者対象は、リモート面接を実施する前の企業ですが、すでに実施している場合でも参考になるでしょう。デメリットの対策についてもご紹介しているからです。
リモート面接の、メリットとデメリットを知る意味とは?
「リモート面接には、どんなメリットとデメリットがあるのだろうか?」と疑問を持たれて、こちらのページをご覧の方は多いのではないかと思います。確かに、感染症対策など社会情勢の影響によって、リモート面接を実施する企業は増えているのではないでしょうか。
すると、今までに実施経験がない企業では、どうしてもリモート面接におけるメリットとデメリットが気になると思います。「当社もリモートでやらないといけないけれど、やったことないからうまくいくかなぁ…」と不安になりますよね。
そこで、リモート面接のメリットとデメリットについて、詳しくご紹介しましょう。
リモート面接のメリットとデメリット、ポイントは7つです!
それでは、リモート面接のメリットとデメリットについて説明します。ポイントは7つありますので、最後までしっかり目を通してください。
リモート面接のメリットは3つ!
リモート面接のメリットは以下の3つあると考えられます。
会場の設営が不要になる
面接をリモートにする最も大きなメリットは、会場を用意したり設営したりといった、物理的な準備が最小限になることではないでしょうか。人数が多い場合は、大きな会場や控室が必要になりますが、それが不要になるわけです。
もちろん、感染症対策にも気を遣わずに済みますから、メリットはとても大きいといえます。企業側に必要なのは、面接官の部屋とリモート機材ぐらいです。受験者に来てもらう従来型の面接とは、明らかに物理的な準備が少ないのは間違いありません。
時間や金銭的なコストを減らすという点では、リモート面接のメリットは大きいでしょう。もともとは、コロナ禍での苦肉の策という感じではないかと思いますが、思わぬ利益があったといえるのではないでしょうか。
受験者側も移動が不要
リモート面接は、企業側だけでなく受検者側にもメリットがあります。それは、面接を受けるための移動がないことです。企業と同じ都道府県内に受験者が住んでいる場合は、それほど大きな負担はないと思われますが、その外に住んでいる場合は話が違ってきます。
例えば、東京の会社を受けるために沖縄や北海道から移動するとなると、それだけで相当な負担が発生します。時間的にも金銭的にも、距離が遠くなればなるほど様々な負担がのしかかってくるわけですので、リモート面接のメリットは小さくないでしょう。
面接のための移動をしなくてもよいというだけで、応募者が増える可能性だって無いとは言えないのではないでしょうか。
ITスキルの習熟度が分かる
リモート面接を行うということは、受検者はそれに合わせて準備をしなくてはいけません。パソコンであれスマートフォンであれ、ソフトウェアの扱い方が分からないと面接に対応できないですよね。つまり、IT関連のスキルがあるかどうかが分かるわけです。
もちろん、誰かに手伝ってもらっている可能性はありますが、慣れていなければ使っている最中にバレます。つまり、単なる面接というだけでなく、ITスキルの試験としてもリモート面接は使えるというわけですね。
リモート面接のデメリットは3つ!
リモート面接のデメリットは以下の3つあると考えられます。
やりにくさや難しさがある
今まで直接会って面接していたわけですから、企業側と受験者側双方に戸惑いや、やりにくさがあると思います。また、リモートアプリを通しての間接的な対面なので、操作方法だけでなく、うまくいかないという「もどかしさ」に似た難しさがあるのではないでしょうか。
例えば、スムーズに会話ができない場合が多いと思います。これは、どうしても数秒の遅れが生じてしまい、やり取りがワンテンポ遅れてしまうからです。リモートならではのやり取りの仕方を考えて何か決まり事をつくっておかないと、会話がしづらいでしょう。
これは相当慣れないとスムーズなやり取りにはならないでしょうし、慣れたとしてもワンテンポ遅れることに変わりはないので、直接会って話をする面接にかなうものではないと思われます。将来的に改善されればよいのですが、まだ先かもしれませんね。
実際会った時に大きなギャップがある
すべての面接をリモートにしてしまうと、採用した後に新人を見てびっくりすることがしばしばあるようです。なぜなら、画面越しに見ていた人と全く違っているからです。例えば、背丈が想像より高い(または低い)といった、外見の違いが多いと聞きます。
リモート面接は、一見すると画面上ですべてが伝わりそうですが、実際はそうではないということが分かります。実際に会った時と明らかに違う印象であるということは、画面を通した面接では、伝わらないものが想像以上に多いということが分かります。
受検者に対して、リモート面接の実施時に立ち上がって身体を全部映してもらうなど、それなりに工夫して行った場合であっても、実際に会うと印象が違うのだそうです。画面越しでは、見える範囲であっても読み取れないものがあるのは間違いないでしょう。
受験者は対策しているので、資質が読めない
リモート面接の場合、受検者は事前にしっかりと対策していると思われますので、本来の資質を読み取れない可能性が高いです。これはリモートに限ったことではなく、直接会って行う面接でも同じだとは思いますが、それがより顕著になるのではないでしょうか。
言ってみれば、リモート面接ならではのポイントを押さえることで、ある種の印象操作を行うことと同意義になるでしょう。例えば、ちょっとした所作などで与える印象は大きく変わりますから、画面越しに伝わるものとしては影響が出る可能性があります。
つまり、受検者が担当者と直接会っていないことを利用して、画面越しに本来とは違う印象を与えるわけです。これにより内定を得ようとするわけで、本当に人当たりが良いとか能力があるということではなく、あくまでもリモート面接が上手ということになります。
メリット・デメリットから読み取る、解決すべき課題とは?
メリットから読み取れるのは、物理的な移動や準備が不要になったり簡便になったりするという点です。一方で、デメリットとしては面接が機能していないことが読み取れます。直接会う形でもうまくいかないものが、リモートでは全くダメなのです。
明らかに、面接をリモートだけで済ませるのは難しいのではないでしょうか。面接は、受検者と対面することに意味があるのではなく、その前後の態度を見るところに大きな意義があるはずです。なぜなら、面接そのものは対策できるからです。
企業が欲しい人材は「面接が上手な人」ではなく、「人間力があり、性格的に自社の仕事に向いている人(できれば能力も)」のはずです。つまり、形上リモートで面接しても意味をなさない可能性が高いといえるでしょう。
なので、「1次選考はリモートで2次選考は直接」など、どこかで必ず1回は直接会うようにする工夫が必要なのではないでしょうか。
リモートにせざるを得ないときは?
リモート面接が事実上機能しないことはお判りいただけたと思いますが、それでもそれに頼らざるを得ない場合は、資質や適性を判断する何らかの物差しが必要ではないでしょうか。そのようなときは、SPIやEQPIなどの個人を診断するテストが有効です。
IQではなく、人間性や適性など受験者の人となりをテストによって明らかにすることが、客観的な判断指標として役に立ちます。面接は外見を確認するためだけに利用し、人物の見極めには各種検査を活用することが、欲しい人材の確保には欠かせないといえるでしょう。
まとめ
リモート面接の、メリットとデメリットを見てきましたが、いかがでしたでしょうか?
メリットとしては、物理的な準備が楽になる点とIT系のちょっとした試験になるという点がありました。一方でデメリットは、面接自体が機能していないという点が、浮き彫りになったといえるでしょう。リモート面接の問題は深刻ではないでしょうか。
そもそもの話になりますが、面接自体が受検者側で対策できるものですので、面接だけで人材確保しようとすると、面接がうまい人を採用することになります。つまり、優れた人材を確保できる手法ではない点に気付くべきだと思います。
本当に優れた人材を確保したいのなら、各種の実技試験や人間性が分かる検査(SPIやEQPIなど)を実施するしかないのです。リモート面接は、あくまでも顔合わせ程度に重要度を下げるべきでしょう。この点にお気づきいただければ幸いです。
以上、リモート面接のメリットとデメリットについてお話ししました。