Web面接における企業側の注意点について説明します。読者対象は、企業の面接担当の方や人事担当の方です。オンライン面接の実施において何に気を付けるべきなのか、企業側の注意点を評価の仕方という視点で解説しています。
Web面接の注意点を、企業側が知る意味とは?
感染症の流行など社会情勢の変化によってWeb面接が急激に浸透していますが、これから取り組まれる場合は「Web面接に関して、企業側の注意点が知りたい」と感じるでしょう。すると大抵の方は、ネット環境や応対の仕方などに注目すると思います。
しかし、もっと重要なところを見落とさないでほしいのです。それは、「Web面接で求人の応募者をちゃんと評価できるのか?」という点です。直接対面してもよく分からないことが多いのに、画面越しにどれだけのことが分かるのでしょうか。
そこで、Web面接を行う上で何に注意すべきなのか、「応募者を評価する方法」という視点で解説していきます。
Web面接、企業側の注意点は5つある!
それでは、Web面接における企業側の注意点をご紹介します。ポイントは5つありますので、ぜひ最後まで目を通してください。
Web面接とは何か?
ここで言うWeb面接とは、Zoomなどのアプリを使って行うオンライン面接のことです。厳密な言い方をするならオンライン面接の方が意味としては正しいと思いますが、Web面接という言葉の方が浸透しているようですので、今回はこちらを使用します。
もう少し具体的に言うと、パソコンやスマートフォンでZoomやSkypeといったアプリを使って遠隔地とネットワークでつなげます。カメラ越しに姿が見えて、音声もマイクで拾いますので、あたかも目の前に人がいるような状況が作られるわけです。
つまり、直接会わなくてもオンラインで仮想的に相対することができるのだから、Web面接で十分代用になるのではないかということなんですね。
Web面接を行う利点とは?
では、Web面接を行う利点とは何でしょうか? 最も大きいのは、直接会わなくてもよいというところです。もちろん感染症の影響が大きいわけですが、直接会わなければウイルス感染の心配がないというのは重要な要素でしょう。
また、遠隔地の場合には現地まで長距離を移動しなくて済みます。移動が伴うと旅費と時間が膨大になりかねません。つまり、面接は「肉体的」にも「精神的」にも「経済的」にも、非常に負担が大きいものであることが分かります。
さらに、感染症が流行しているうちはマスクをしないと直接会えませんが、カメラ越しであればマスク無しで会うことができます。顔(特に口元)を見ながらの会話ができますので、直接対面するよりもオンラインの方がかえって面接がしやすいとも考えられます。
Web面接の問題点とは?
ところで、Web面接に問題点はあるのでしょうか? おそらく最大の問題点は、直接会わないという点ではないでしょうか。利点と矛盾すると思われるでしょうが、人と直接会わないということは、いわゆる「空気感」が伝わりません。
顔を見ながら直接会話するので、電話よりもはるかに情報が伝わりますが、それでも人となりや雰囲気はすべて把握できるわけではないでしょう。また、会話が半二重通信なので昔のトランシーバーのようなやり取りになるのも、やりにくいかもしれません。
通信環境については、アプリの進化で対応可能だと思われますが、空気感を掴むのは初対面の場合は難しいかもしれません。また、面接の対象者が事前に用意した原稿を読んでいる可能性もありますので、本人の言葉かどうかが定かではないという問題もあります。
このように、Web面接は直接会わないというところが、利点でもあり問題点でもあるということではないでしょうか。
Web面接で評価できるのか?
Web面接で応募者の評価ができるのかと言えば、もちろん答えは「イエス」です。なぜなら、面接試験は試験官とのやり取りから応対の仕方を見るものですので、直接会うかオンラインかという点はあまり関係が無いといえます。
もっと言うと、「面接でどれだけのことが分かるのか?」ということです。面接で好成績を出す人は面接が得意な人です。つまり、必ずしも仕事ができる人ではありません。もちろん、営業マンのようにお客様と直接やり取りする人が欲しい時は重要でしょう。
ですが、面接がうまいからといってアイディアを出したり、研究熱心だったりするわけではありません。口だけは達者な、調子のよい人である可能性の方が高いでしょう。Web面接だから評価ができないわけではなく、『面接』そのものに問題があるといえます。
考えるべきは、面接では分からない「受検者の本質を見抜く手段」を持つことなのです。
どうやって面接の問題点を解決するのか?
面接には、「受検者の本質を見抜く」ことが難しいという問題があります。そこで考えていただきたいのが、本質をさらけ出すことができる検査の導入です。検査であれば、面接の上手・下手は関係なくなりますので、公平な評価ができます。
では、どのような検査なのかと言えば、EQPIです。これは被検者の感情と性格が分析できるもので、「人付き合いが上手かどうか」という点と、「どのような仕事に向くのか」という点が分かります。人間性がハッキリ出る検査ともいえるでしょう。
このような検査を実施することで、本来面接で探ろうとしていることが数値化されて、明確になるわけです。面接では表面的なことしかわかりませんが、検査を行えば人間の本質的なところが明らかになりますので、選考基準として非常に役立つでしょう。
弊社で取り扱っているのがEQPIですので今回ご紹介しましたが、いずれにしても何らかの検査を行って、面接は顔や声の確認だけとする方が明らかに有意義だといえます。
まとめ
Web面接における企業側の問題点をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
面接をWebで行うことで、移動しないで良いとか直接会わなくて良いという点で、メリットが大きいといえます。一方で、直接会わないからこそ雰囲気が肌で感じられないというところがあり、デメリットにもなっていることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
しかし、そもそも面接で何が分かるのかと言えば、大したことは分からないでしょう。面接で印象の良い人は面接がうまい人であり、必ずしも能力が高いわけではありません。面接で何かを見抜くというのは、よほどのプロでない限りほぼ不可能です。
重要なことは、EQPIのような検査を行って客観的な指標を導入することです。受検者の本質を見抜き、良い人材を獲得するための方法になりますし、公平公正な選考基準になることをご理解いただければ幸いです。
以上、Web面接における企業側の問題点についてご説明いたしました。