適性検査の性格診断に最適な、EQPIテストをご紹介します。読者対象は主に人事担当の方ですが、現場の方にも適していると思います。なぜなら、仕事を円滑にする上で最も大切な人間力についても解説しているからです。
なぜ適性検査の、性格診断が重要なのか?
「適性検査では、性格診断が必要だ」と考えたために、あなたはこちらのページをご覧になられていると思います。確かに、適性検査では実力だけを見るのではなく、性格を把握することはとても重要でしょう。
なぜなら、募集している職種に向いた性格の人を選ばないと、どんなに実力があっても早期離職しかねないからです。むしろ、性格的に向く人を選ぶことで、懸命に仕事に取り組み早く仕事を覚えて、長く勤めてもらえるといえます。
なので、最初に適性検査で性格を診断することがとても重要なのです。では、どのような検査で性格を診断すればよいのでしょうか? 適性検査の性格診断に向いたEQPIというテストがありますので、詳しくご紹介しましょう。
適性検査の性格診断、EQPIテストが適している理由とは?
それでは、適性検査の性格診断について、EQPIテストが適している理由を説明しましょう。
EQPIとは何か?
そもそもEQPIとは何かというと、EQ(人間力)とPI(性格特性)の2つを調べることができるテストのことを指します。
EQとは、人間の感情コントロールのことを指しており、自分の感情を抑えたり出したりするだけでなく、他者の感情も感じとったり働きかけたりすることです(EQ理論)。これをテストで調べることで、人付き合いの上手さや意欲的な人かどうか(人間力)が読み取れます。
また、PIとはその人が持つ性格のことで、Big5(ビッグファイブ)理論に基づいて性格の傾向を割り出します。これによって、例えば大人数でするのが得意なのか、一人や少人数でするのが得意なのかといったことが分かるわけです。
このように、被検者の感情と性格が明確になるテストがEQPIなのです。
なぜEQPIテストが、適性検査の性格診断に適するのか?
なぜEQPIテストが適性検査の性格診断に適するのかというと、元々、人材育成用に開発されたテストだからです。テストの内容をご覧いただくとお判りいただけると思いますが、ほぼすべてが仕事上での感情コントロールや性格の発揮度合いなのです。
EQを調べるのは、人間力(EQでは感情能力といいます)が高い人ほどビジネス世界で成功することが分かっているからです。いわゆる成功者を調査すると、ほとんどの方のEQが高いのだとか。つまり、データでEQは高いほうが良いと証明されているのです。
また、PIで分かる性格についても、配属で極めて重要な意味を持ちます。なぜなら、性格的に向いた仕事が分かるからです。一言でいうなら、仕事と被検者の『相性』が分かります。能力が優れていても、仕事との相性が悪いと社員は辞めてしまいかねません。
相性の良い仕事を割り振ることで、生き生きと働ける環境を実現するのがEQPIテストだといえるのではないでしょうか。したがって、EQPIテストは適性検査のためにある性格診断だといっても言い過ぎではないと思います。
EQPIテストでは、どんな性格が分かるのか?
EQPIテストでは、以下のようなBig5理論に基づく性格が分かります。
基本的性格特性は、いわゆるBig5理論そのものです。一方で、ビジネス的性格特性は仕事上の性格に特化したもので、Big5から派生しています。これらが数値の大小で表されますので、かなり明確に性格が分かるといえます。
例えば、外向性が高い方は営業や広報など、人と接することが多い仕事に向きます。一方で外向性が低い人は、一人でコツコツとする研究職などが向きます。このように、各因子や構成概念が数値で表され、その大・小でどの性格が強く出ているかが分かるのです。
※ 詳しくは、以下のページでご覧いただけます。
EQPIテストは、Webで受検できるのか?
EQPIテストは、Webでのみ受検できます。指定されたサイトにブラウザでアクセスするとテストが受検できる仕組みです。受検者にメールが届きますので、その内容の指示に従って受検する流れになります。
使用できる機器はパソコンやスマートフォンで、どちらを使用しても構いません。ただ、どちらを選んだ場合でも、インターネットに安定して接続できる環境が必要です。回線速度は遅くても構いませんが、途切れない安定性が大切になります。
いずれにしても、Webで受検して画面上の質問に答えるというやり方です。質問数は150問ほどになりますので、時間も連続して20分程度は必要になるでしょう。
EQPIテストの結果は、どうやって受け取るのか?
EQPIテストの結果はPDFファイルで受け取ります。具体的な内容については以下のページで詳しく説明していますので、ぜひ目を通してください。
このPDFファイルは、EQPIテストの受検を申し込まれた方に送付しておりますので、個人の場合はご本人ですが、企業等の団体で受検された場合はご担当者にお送りしております。テスト結果の詳細な分析をご依頼された場合も、同様にご担当者宛てです。
EQPIテストの結果は、ご担当者と受検者で共有していただくものですが、分析結果については取り扱いをお任せしております。また、EQが低い場合のトレーニングや性格に基づいた配属などについては、別途EQPIアナリストにご相談ください。
EQPIテストは嘘をつけない
EQPIテストは、嘘をつくことができません。なぜなら、極端な回答をしたり自分を良く見せようとしたりするなど偽ってしまうと、その結果が見抜かれてしまうからです。回答に問題がある旨が、受け付けを行ったEQPIアナリストに通知されます。
つまり、厳密な言い方をすると「嘘はつけるけれど確実にバレる」といえます。テスト結果を見れば素直に答えたのか偽りの答えなのかが分かるので、これを理由にして不採用とすることも不可能ではないでしょう(受検者に事前警告をしておく)。
また、質問は嘘がつきにくい聞き方をしていますので、よほどの硬い意志が無い限り素直に答えてしまうと思われます。
EQPIテストは対策ができない
EQPIテストは、対策ができません。なぜなら、どのように答えると狙った人間力や性格になるかが分からないからです。したがって、何かコツのようなものがあるわけでもないし、狙った結果にするための回答練習もできません。
また、仮に答えを偽って狙った人間力や性格の結果が出ても意味がないのです。なぜなら、人間力や性格を偽っても本人を見れば一目瞭然だからです。テスト結果と本人の行動や言動を見比べると、明らかに乖離が出てしまいます。
例えばEQの、「心開という発揮行動が高い」と出たとします。しかし、本人を見たときにろくに挨拶ができていなければ、心開が高いとは言えません。性格も同様で、「情報欲という概念が高い」のに情報収集が下手であれば、実際と差異が出てしまいます。
また、性格特性を見て配属したのに、本人と仕事の間にミスマッチが起きていると早期離職になりかねません。ですので、受検者にEQPIテスト実施の趣旨を誤解なくしっかり理解してもらうためにも、事前の説明が極めて重要になるのではないでしょうか。
まとめ
ここまで、適性検査の性格診断にEQPIテストが適しているとお話してきましたが、いかがでしたでしょうか?
EQPIは人間力と性格特性が分かるテストで、元々人材育成のために開発されたものであることをご紹介しました。そのような観点から、適性検査の性格診断にEQPIテストが適していることがご理解いただけたと思います。
また、嘘をついたり試験対策をしたりといった、ある種の不正行為もしにくいテストであることもご紹介しました。EQPIテストが合否に関係すると思うと、どうしても合格のためにテスト結果を、「求める人材」に合わせようと考える受検者が出てきます。
しかし、EQPIテストで分かるのは能力の高さではなく『相性の善し悪し』です。受検者と職種との相性が良ければ能力を最大限に発揮して長く勤めてもらえますが、そうでなければ耐えられなくなり早期離職しかねません。これでは企業も損害が大きいでしょう。
EQPIテストで相性の良い人を見つければ、企業にとっても受検者にとっても有益で、両者が恩恵を受けるウィンウィンの関係になるのです。その点を考慮して、EQPIテストを適性検査の性格診断で活用していただければ幸いです。
以上、適性検査の性格診断に、EQPIテストが最適であることをご紹介しました。