新卒の新入社員の配属で、ミスマッチを防ぐ方法についてご紹介します。読者対象は会社の人事担当者ですが、経営者にも参考になると思います。ミスマッチが起こる根本と、それに対する本質的な対策を解説しているからです。
新卒の新入社員、配属のミスマッチを防ぐべき理由とは?
「新卒の新入社員の配属は、ミスマッチが無いようにしなくてはいけない」とお考えの人事担当の方は、多いのではないでしょうか。確かに、ミスマッチが無いようにすることはとても重要だと思います。では、なぜミスマッチがあるとマズいのでしょうか?
それは、配属のミスマッチがあると、様々な問題が発生する可能性が高いからではないでしょうか。ミスマッチということは、社員の特性と部署の仕事内容や環境が合っていない状態だといえると思います。つまり、適材適所になっていないわけです。
そこで、ミスマッチによる問題点やその解決策について、詳しくご紹介いたします。
新卒の新入社員、配属のミスマッチを防ぐポイント!
それでは、新卒の新入社員の配属決めでミスマッチを防ぐポイントをご紹介します。ポイントは5つありますので、しっかりと目を通していただければと思います。
配属のミスマッチ状態とは?
ここで言う配属のミスマッチ状態とは、新入社員と配属先が合わない(相性が悪い)ことを指します。もう少し具体的に言うと、会社が示した配属が、本人の希望する配属先ではない場合が典型的ではないでしょうか。希望と違うのですから当然ですね。
また、新入社員の性格や人間性などが、職場の特性と合っていない場合も考えられます。このような場合は本人が希望する配属通りであっても、相性が悪いことでミスマッチとなることもあり得ます。希望にはあっていますから、原因に気づきにくいかもしれません。
もっと細かいところでのミスマッチもあると思いますが、概ね「希望と違う」場合と「本人の特性に合わない」場合になるのではないでしょうか。いずれにしても、ミスマッチの発生には原因がありますので、そこをしっかりと把握すべきでしょう。
なぜ配属のミスマッチが起こるのか?
では、なぜ新入社員の配属でミスマッチが起こるのでしょうか? これにはいくつかの原因が考えられます。
採用担当と現場の間にある温度差
そもそも採用の時点で、ミスマッチを起こしている場合があります。というのも、現場が求めている人材とは違うタイプの人を採用してしまって、本人の特性と合わない配属にならざるを得ないということが意外に多いからです。
例えば、現場では多少コミュニケーション能力が低くても研究熱心な人が欲しくても、採用担当が人当たりの良さだけで採用してしまったとします。すると、採用された人は営業には向くと思いますが、研究職はつらいかもしれません。
採用された本人も、コミュニケーションが得意だとしたら、研究室に閉じこもって仕事をすることは想定していない可能性があるからです。人材不足の世の中にあっては、適性が合わなくても配属せざるを得ませんので、結果的にミスマッチとなるのです。
このように、採用の時点で現場とかけ離れていれば配属のミスマッチは起きてしまいます。
人材不足による無理やりな人事
先ほどの採用時点での問題に関係しますが、どうしても企業が必要とする能力を持った人材が集まらない場合に、やむを得ず適性のない人を配属してしまう場合があります。人がいないのですから仕方ない面がありますが、明らかにミスマッチです。
本来であれば、ほしい人材を採用担当者が頑張って集めてくるべきですが、人手不足の世の中では採れた人を当てるというやり方しかできない現実があると思います。これは社会情勢が絡んでいますので、人材不足によるミスマッチな配属は解決困難かもしれません。
それでも、会社を魅力的に見せることで、少しでもほしい人材が集まるように努力すべきであることは間違いないでしょう。
会社側に適材適所という概念が乏しい
会社側に適材適所という概念が乏しいために、ミスマッチな配属をしてしまうことが決して少なくないようです。おそらく、「社員は与えられた仕事を黙ってやる」というような、かなり古い考え方で凝り固まっているのではないでしょうか。
そもそも、人には向き不向きがあるわけですが、それすら理解していない人が少なからずいます。「自分ができるのだから他の人もできるはず」と考える人がその典型です。つまり、このような考え方の人は、人間の能力や特性を一律だと思っているのです。
例えば、運動が得意な人もいれば勉強が得意な人もいます。人それぞれ違って当たり前なのにそれが理解できない人が人事をやっていると、適材適所という概念自体が思い浮かばず、配属のミスマッチが起こってしまうのです。
新入社員本人が自身の適性を理解していない
新入社員本人が自身の適性を理解していない場合もありますが、これは配属の希望を尊重した場合に起こり得るミスマッチです。一見すると、本人の希望通りなのでマッチングは良さそうですが、「想像とは違った…」となって疲弊するパターンが考えられます。
例えば、「営業がやりたい!」と思った新人が営業職を希望したとします。会社としては希望を尊重して配属を営業にしますが、実際には本人に接客のセンスがなくコミュニケーションがまともに図れないということが起こることがあります。
また、本来は営業向きの人が「研究職をやってみたい」と考えて、希望を出す場合もあると思います。この場合も、実際には部屋にこもってじっくり取り組むことができずに、ミスマッチになってしまうことが十分あり得えるでしょう。
ミスマッチ状態になると、どんな問題が発生するのか?
配属のミスマッチが起こると、新入社員は徐々に疲弊して「この仕事は向いていない」と感じてしまいます。するとストレスが蓄積していき、仕事を辞めたいと思うようになります。そして早期離職へと歩み始めてしまいます。
簡単に言えば、ミスマッチによって社員の定着率が著しく低下するといえます。もちろん、すべての社員が辞めてしまうわけではありません。合わない仕事に我慢しながら取り組み続ける人もいます。その場合は、やる気のない日々が続いているでしょう。
やる気の起きない状態では、与えられた仕事をこなすだけになってしまいますので、能力が向上しませんし、新しいアイディアも生まれてきません。これでは優秀な人材が育たず、会社の将来が不安になります。
このように、配属のミスマッチは会社の存続にまで関わりますので、決して甘く見てはいけないのです。
ミスマッチ予防のために何をすべきなのか?
では、ミスマッチを予防するために何をすべきなのでしょうか? 細かく見ると無限に広がりますので、ここでは大きく2つのポイントをご紹介します。
新入社員の適性を見極めてください。
新入社員がやる気をもって元気に仕事をするためには、その人ごとに適性を理解して、その人にマッチした配属を行うことにつきます。いわゆる適材適所ができれば、仕事をイヤイヤどころか自ら進んでやるような社員になるでしょう。残業すら苦にならないはずです。
つまり、ミスマッチのない適材適所の配属が行えれば、会社のために頑張ってくれる良き人材になり得るのです。新入社員がやる気を持って楽しく仕事に取り組めますので、離職者を減らすことにも大きく貢献すると思われます。
人には向き・不向きがあるということをしっかりと認識して、社員の特性に見合った仕事ができるような配属(人事)を行っていただきたいと思います。
「性格と感情を見える化」できる検査を利用する。
ここまでの説明で、新入社員の適性を見抜くことが重要であることは、十分お分かりいただけたと思います。そうはいっても「新入社員の適性を見抜くなんて簡単じゃないよ」と思われている方は、少なくないのではないでしょうか。
そこで、利用を検討していただきたいのが、新入社員の「感情特性や性格」といったものを見える化できる検査です。ポイントは、技術的な能力ではなく人間性が分かるところです。能力的な適性よりも、性格的に合うかどうかを見るべきでしょう。
なぜなら、技術的な部分は日々の積み重ねで上達しますが、性格的に合わない場合はストレスを日々積み重ねてしまうからです。ストレスが多いと「自分にはミスマッチな職場だ」という想いが強くなると考えられます。
したがって、技能的な部分よりも精神的な部分の適性が重要であり、それを見抜くためには検査をするのが最も簡単かつ正確なやり方なのです。なお、当社ではEQPIという検査をお勧めしておりますので、詳しくは以下のページでご確認ください。
また、検査を実施する利点として『時短』が挙げられます。新人にいろいろな仕事をさせてみてから判断するとそれなりに時間を要しますが、検査ならほんの数日で適性が見抜けます。このような点からも、EQPIのような検査の利用がおすすめなのです。
まとめ
新卒の新入社員について、配属のミスマッチを防ぐ方法をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
配属のミスマッチが起こる原因は様々あり、そこから考えられる問題も様々ありました。重要なことは、ミスマッチは新人にも会社にも「百害あって一利なし」であるというところです。理由はあるでしょうが、やはり配属のミスマッチは避けなくてはいけません。
また、重視すべきは技術的な面よりも、人間性(性格や精神面)が配属先に合うかどうかという点でしょう。技術は磨けますが、性格や精神的な部分は簡単には変えられません。このような内面的な部分を加味した適材適所が、最も必要とされています。
EQPIのような内面が分かる検査を活用すれば、適材適所はかなり簡単になります。誰も得しない配属のミスマッチを避けて、適材適所を実践していただければ幸いです。
以上、新卒の新入社員について、配属のミスマッチを防ぐ方法をお話ししました。