PI(性格特性)とは何か説明します。読者対象は、EQPIのPIの部分について知りたい方ですが、性格について知りたい方にも参考になるでしょう。Big5など、元となっている理論について詳しく解説しているからです。
PI(性格特性)について知る意味とは?
「PI(性格特性)とは一体何だろうか?」と疑問を持たれたために、あなたはこちらのページをご覧になれていると思います。EQPIのPI部分のことを指していることはお判りになると思うのですが、「性格」ということしかピンと来ないのではないでしょうか。
もちろん性格のことを表していますが、これから詳しい説明をお聞きになると、一般的な性格のイメージとは少し違う印象を受けるのではないかと思います。というのも、かなり多くの要素から性格を表しているからです。
そこで、PIの言葉の意味や、性格に対する考え方についてご紹介しましょう。
PI(性格特性)とは何か、知っておくべきポイントは5つです!
それでは、PI(性格特性)とは何か説明します。5つのポイントに分けて説明しますので、最後までしっかりと目を通してください。
性格特性を表す PI とは?
PIとは Personal Inventory の略で、直訳すると「人格の在庫」となり、EQPIでは性格という意味で使っています。ところが、性格を意味する単語は character が一般的なのではないかと思います。では、なぜ言葉を変えているのでしょうか?
それは、「性格は1つではない」という考え方が基礎になっているからです。性格については様々な研究がなされていますが、EQPIでは Big5 という理論を基にしています。(Big5については、後ほど詳しくご紹介します。)
Big5 では、5つの特性因子の強弱によって人格が形成されるとしています。つまり、ある人物について一言で性格を表すことはできず、少なくとも5つの因子について言及する必要があるので、人格の在庫(PI)という言葉で性格を表しているんですね。
PIで表される性格とは?
では、PIで表される性格とはどのようなものでしょうか? 先ほど少し触れましたが、5つの因子で考える Big5 という理論が基本です。この Big5 理論で分かるのは、本人の最も芯になる性格で、5つの因子が重要なポイントになります。
しかし、EQPIでは Big5 以外に Business Big5 という別の性格も含めます。なぜなら、これでは少々情報が足りないからです。もともと、EQPIは人材育成のために開発されたものですので、単なる性格だけでは仕事上の向き不向きが分かりにくいといえます。
そこで、 Business Big5 を含めることにより、仕事上における性格がより深く分かるようにしているのです。したがって、PIにおいては Big5 と Business Big5 の2種類(10因子)を合わせて、性格と呼んでいることがお分かりいただけると思います。
このように、日常と仕事の両方の性格を知ることができますので、単純に人格や個性が明らかになるだけでなく、ビジネス社会での適性が分かるといえるでしょう。
Big5 とは何か?
Big5とは、日常生活やビジネス場面における性格を表します。いわゆる人間の性格を数値化していますので、その人を表す最も基本となる情報だといえるでしょう。
もう少し詳しく解説すると、「人間の性格は5つの特性因子の組み合わせによって構成されている」という前提に立ち、各因子の強弱から性格を捉える考え方です。つまり、人間の性格は5つの因子で説明できるとしている理論だといえます。
ただし、実際にはこの5つの因子はさらに細かく分けられています。具体的にはそれぞれ3つの概念で構成されますので、全部で15(5×3)の概念が存在することになります。ですので、人間の性格はより細かく15の概念によって表されるわけですね。
ところで、PIでは Big5 を「基本的性格特性」と呼んでいます。なぜなら Business Big5 という考え方を組み合わせるからです。本来であれば、Big5 を性格特性と呼べばよいのですが、これでは紛らわしくなるので、「基本的」とすることで区別しているのです。
以下のページで詳しく説明していますので、ぜひ目を通してください。
Business Big5 とは何か?
Business Big5 とは、ビジネス場面で活かされる性格を表したものです。先ほどとは違い、仕事上での性格に特化しているといえます。
もう少し詳しく解説すると、Business Big5 は Big5 を応用したもので、「ビジネスの場面における行動や姿勢に影響する人の性格」を5つの因子の強弱から捉える考え方です。つまり、ビジネス場面での性格特性を5つの因子で表している理論だといえます。
ただし、Big5同様にこの5つの因子もさらに細かく分けられています。具体的にはそれぞれ3つの概念で構成されますので、全部で15(5×3)の概念が存在することになります。ですので、ビジネス場面での性格はより細かく15の概念によって表されるわけですね。
ところで、PIでは Business Big5 を「ビジネス的性格特性」と呼んでいます。なぜなら、先ほどすでにお話しした通りですが、Big5 と並ぶと分かりにくくなるので「ビジネス的」とすることで区別しているのです。
以下のページで詳しく説明していますので、ぜひ目を通してください。
性格は、30種類の概念で構成されている!
Big5 が5つの因子と15の構成概念で成り立ち、Business Big5 も同様に5つの因子と15の構成概念で成り立っているとお話ししました。人間の性格は、合わせて30種類の構成概念で表せることが分かると思います。
ですが、実際には各構成概念が強い場合と弱い場合で性格が異なりますので、さらに2倍の数に膨れ上がります。したがって、60種類のうちからどれかが該当するということになりますので、それらの組み合わせによって性格が読み取れるのです。
PI は Big5 がベースになっているので、「たった5つの因子で何が分かるのか?」と最初に思われる方は多いかもしれません。ですが、突き詰めると60種類の性格によってPI が表現されますので、かなり詳しく高い精度で分かるんですね。
まとめ
ここまでPI(性格特性)についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
EQPIにおけるPIとは Personal Inventory の略で、直訳すると「人格の在庫」でした。これは、性格を複数組み合わせてあらわす理論である Big5 に由来するものです。PIについて性格特性と呼んでいるのも特徴的でしょう。
また、Big5 は5つの因子と15の構成概念からなるものであることも説明しました。さらに、構成概念は強い場合と弱い場合で性格が異なりますので、×2で30種類の性格になります。つまり、一見すると5つですが、実際には30の性格が読み取れるわけです。
これと同様にビジネス場面に特化したものが、Business Big5 でした。考え方は Big5 と同様ですので、区別のために Big5 は基本的性格特性と呼び、Business Big5 はビジネス的性格特性と呼んでいます。両方を組み合わせることで60の性格が分かるのですね。
このように、PIは「人間の性格は複数の因子によって決まるものであって、一言では言い表せない」理論であることをご理解いただければ幸いです。
以上、PI(性格特性)とは何かご説明しました。