人間力とは何か説明します。読者対象は、人間力について具体的に知りたい方です。抽象的で分かりにくい人間力という概念を、EQという具体的な理論を用いて説明しています。
人間力とは何か知りたい方へ
「人間力って何?」と思われて、あなたはこちらのページをご覧の事と思います。厳しい社会を生き抜くためには、人間力が大事だという話を耳にすることが少なくないでしょう。確かに人間力が大事なのは分かっても、それ自体が抽象的ですよね。
では、人間力とは何でしょうか? ズバリ言うと「EQ」と呼ばれる能力のことを指します。このEQという能力が高い人ほど「人間力がある」とか「人間力が高い」という評価になると考えられます。すると「EQって何だ?」となりますよね。
そこで人間力とは何なのか、EQについて紐解くことで具体的に分かるように、詳しくご紹介していきましょう。
人間力とは何か、具体的に説明します!
それでは、人間力とは何か具体的に説明します。4つの項目に分けて解説しますので、ぜひ最後までしっかりと目を通してください。
人間力を表すEQとは?
まず、人間力を表す「EQ」とはどのようなものかお話ししましょう。
EQは「Emotional Intelligence Quotient」の略で、感情能力と呼ばれます。つまり、感情を上手にコントロールできる人を「EQが高い」と呼んでいますので、EQが高い人を見ると「人間力が高い人だなぁ」となるわけですね。
この、感情のコントロールというのは自分の感情はもちろんのこと、相手の感情についても感じることを指します。具体的には以下の通りです。
自分 | 他者 | |
---|---|---|
受信 | 自分理解 | 他者理解 |
発信 | 自分活用 | 関係構築 |
この4つを『EQマネジメント力』と呼び、これらがバランスよく高いと「人間力が高い」と感じるわけです。大事なのはどれか1つが高いのではなく、4つすべてが均等に高い状態であることです(バランスが悪いと、かえって悪い印象を与えるかもしれません)。
では、これら4つのEQがどのようなものなのか、それぞれ詳しく見てみましょう。
EQマネジメント力を、詳しくご紹介します!
早速、EQマネジメント力4構成をご紹介します。さらに、その他にもEQに関連した事項がありますので、併せてご紹介しましょう。
EQマネジメント力の「自分理解」とは?
EQマネジメント力の自分理解とは、「自分の気持ちを感じ取り、深く理解する」ことを指しています。つまり、自分の気持ちをちゃんと分かっているかどうかということですが、状況に応じて気持ちは変化しますから、このような感情能力が欠かせません。
どんな時に自分の気持ちが動きやすいとか、今自分はどんな気持ちなのかということが分かることがとても大事なんです。なぜなら、気持ちをコントロールするためには、まず現状の気持ちが分かる必要があるからです。
なので、自分の気持ちを理解できることが最も重要だといえます。人間力が高い人は、自分の気持ちをよく理解しているんですね。
EQマネジメント力の「他者理解」とは?
EQマネジメント力の他者理解とは、「他者の気持ちを感じ取り、深く理解する」ことを指しています。つまり、他者の気持ちをちゃんと分かっているかどうかということですが、他者の気持ちも状況によって変化しますから、このような感情能力も欠かせません。
どんな時に相手の気持ちが動きやすいとか、今相手はどんな気持ちなのかということが分かることがとても大事なんです。なぜなら、他者と付き合っていくためには、今どのような気持ちでいるのかを察する必要があるからです。
他者の気持ちを理解するのは、付き合っていく上での第一歩となるため重要だといえます。人間力が高い人は、他者の気持ちをよく理解しているんですね。
EQマネジメント力の「自分活用」とは?
EQマネジメント力の自分活用とは、「その場に相応しい気持ちを創り出し、行動する」ことを指しています。つまり、自分の気持ちをコントロールするということですが、状況に応じて適切な気持ちを持つために欠かせない感情能力です。
場に応じて気持ちを盛り上げたり抑えたりすることですが、例えば、楽しい場で暗い顔をしているのは良くないですよね。同様に、厳かな雰囲気の場でニコニコしているのも変です。他にも、適度な緊張感を保つことは仕事においても役立つでしょう。
このような場に応じた気持ち創りや行動は、社会生活において重要だといえます。人間力が高い人は、自分の感情をうまくコントロールしているんですね。
EQマネジメント力の「関係構築」とは?
EQマネジメント力の関係構築とは、「積極的に相手の気持ちに働きかけ、関係を築く」ことを指しています。つまり、他者に対して働きかけるということですが、他者との円滑な交流のためには欠かせない感情能力です。
これは相手に心を開かせたり行動を促したりすることですが、例えば、初対面の方とのあいさつは元気に明るくすると相手の反応もよいですよね。同様に、落ち込んでいる人を元気づけるために、話を聞いたり助言したりすることも必要な場合があります。
このような相手を良い意味で巻き込む対応は、社会生活においてやはり重要だといえます。人間力が高い人は、他者との関係をうまく構築しているんですね。
EQコミュニケーションスタイル
EQコミュニケーションスタイルとは、その言葉通り他者とのコミュニケーションの図り方を表したものです。具体的には、「自分の気持ちを開示する(発信)」と「相手の気持ちを理解する(受信)」ということをどの程度行っているのかを表しています。
具体的には、以下の4タイプに分かれます。
- 達人型(発信・受信ともに強い)
- 聞き役型(発信が弱く、受信が強い)
- ひとりぼっち型(発信・受信ともに弱い)
- お喋り型(発信が強く、受信が弱い)
これらのうち、達人型の人がポイントです。このタイプが多いとコミュニケーションが活発になります。人間力が高い人ほど、活発にコミュニケーションを図っているわけですね。
EQワークスタイル
EQワークスタイルとは、その言葉通り仕事に取り組む姿勢を表したものです。具体的には以下の4通りのタイプに分かれます。
- 張り切り型(自ら主体的に仕事に取り組む)
- こだわり型(自分が興味を持っている仕事にのみ取り組む)
- 指示待ち型(指示された仕事にのみ取り組む)
- 応援型(やる気を持って取り組むが、他者にさせる)
これらのうち、張り切り型の人がポイントで、このタイプはどんどん成長していきます。人間力が高い人ほど、積極的に仕事に取り組む姿勢が見られるんですね。
仕事への動機
仕事への動機とは、どのような仕事であればやる気が起こるのかを表したものです。具体的には以下の4通りのタイプに分かれます。
- 達成動機(自分が活躍できる仕事:自分の力で目標を達成したい)
- 安全動機(安心・安全な仕事:失敗や挫折は回避したい)
- 権力動機(リーダーになれる仕事:他者を動かしたい)
- 親和動機(みんなでできる仕事:競争せず仲良くやりたい)
これらのうち、達成動機の強い人がポイントで、仕事は自分の力で頑張りたい人です。人間力が高い人ほど、自らを高めていこうという姿勢が見られるんですね。
人間力を高める方法とは?
ところで人間力を高める、つまりEQを高める方法はあるんでしょうか? 実は、EQを高めることは比較的簡単な方法で出来ます。というのも、EQは行動によって変化することが証明されているからです。つまり、行動によって感情は変化するんですね。
例えばもっとも簡単な方法は、挨拶をしっかりすることです。今まで挨拶していなかったのであれば、会釈でもいいし小さい声でもいいから挨拶します。すでに挨拶しているのであれば、より積極的に声の音量も上げてするようにします。
これは『関係構築』の向上を狙う時に行うトレーニング方法の1つですが、挨拶をすることで自分の感情を高めつつ、相手の感情を高めることもできるのです。このようにして行動を変えることで、EQつまり人間力を高めることができます。
人間力を診断することはできるのか?
では、人間力のような形のないものを診断できるのでしょうか? もちろんできます。人間力はEQですが、そのEQは検査によって測定が可能だからです。どんな検査なのかといえば、百数十に及ぶ質問に答えるオンラインテストになっています。
これによって、4つのEQマネジメント力が非常に細かく分かります。実際には3つずつの要素があり、全部で12の『発揮行動』というものによって、EQの高低が「数値・グラフ・簡易的な解説」で出るのです。
例えば、「自分は『自己理解の自分認識』は高いけれど、『関係構築の心開』は低いなぁ」というように、EQの何が高くて何が低いのかが細かくハッキリと分かるんですね。そして、検査結果をもとにして、EQを高めるトレーニングを行うのです。
まとめ
ここまで人間力とは何かお話してきましたが、いかがでしたでしょうか?
人間力とはEQの事であることをお伝えして、4つのEQマネジメント力について詳しくお話ししましたので、人間力という抽象的なものをより具体的に捉えられたのではないでしょうか。まとめると、人間力が高い人の特徴は以下の通りです。
- 自分の気持ちをよく理解している
- 他者の気持ちをよく理解している
- 自分の感情をうまくコントロールしている
- 他者との関係をうまく構築している
- 仕事に積極的で、自らを高めようとする姿勢がある
つまり、感情に関する能力が高い人のことを人間力が高いと言っているのです。ではなぜこのような能力が必要なのかといえば、人間は社会という枠組みの中で生きているために、他者との交流が避けられないからです。
他者と良好な関係を築くことで社会生活を円滑に送れるわけですが、そのためには人間力の高さが重要になるといえます。このように、人間力とはEQのことであり、人間力を高めることが重要であると知っていただければ幸いです。
以上、人間力とは何か、お話しさせていただきました。