面接する側の注意点を説明します。読者対象は、面接を実施する際の注意点を知りたい面接官ですが、人事担当者にも役立つでしょう。注意点を紹介しただけでなく、面接そのものの問題点についても言及しているからです。
なぜ、面接する側の注意点が重要なのか?
「面接する側の注意点とは何だろうか?」と疑問に思われたために、あなたはこちらのページをご覧になられていると思います。特に採用面接においては様々な注意点がありますので、事前に知っておくことは重要だといえるでしょう。
面接は直接人と会って話をしますので、質問内容や見るべきポイントなど気を付けないといけないことが多いです。また、面接は万能ではありませんので、過度な期待もできません。したがって、面接という機会をうまく活用することが大切だといえます。
そこで、面接をどのように実施すれば効果的なのか、注意点を詳しくご紹介しましょう。
面接する側の注意点、気を付けることは5つあります!
それでは、面接する側の注意点を説明します。気を付けることは5つありますので、最後までしっかりと目を通してください。
面接する側のポイント、実施目的とは?
そもそも、面接はどのような目的があって実施するのでしょうか? 面接は、どのような人なのか実際に会ってみることで姿を確認することがポイントだといえます。つまり、外見的な部分を見るのが面接の役割だといえるでしょう。
すると、「いろいろ質問するのは関係ないの?」と思われるでしょうが、質疑応答から何か分かるようなものではありません。なぜなら、面接は対策ができるからです。よく訓練された方であれば、その人は面接を受けるプロだといえます。
「こう聞かれたらこう答える」とか「このような場合はこう対処する」といったように、面接だけをクリアする力をつけているのです。したがって面接だけが上手なのであって、人間力が無かったり能力が低かったりする可能性が残ります。
簡単に言うと、面接官をいかに騙すかというところを頑張るのが受験者だといえます。残念ながら騙されていることに気づく面接官は少なく、ほとんどの方が見抜けません。結果的に、面接だけが上手で能力のない人を選んでしまうわけです。
このように、面接は外見を確認する目的で行うのであって、中身を見抜けるものではないことを知っておきましょう。
面接する側のコツ、どんな質問をすればいいのか?
では、面接ではどんな質問をすればいいのか、何かコツがあるのでしょうか? 質問しても意味がないのなら適当に世間話でもすればいいのかというと、そういうわけでもありません。採用試験では、履歴書や職務経歴書を事前に受け取ると思います。
つまり、様々な情報を書類で見ることになりますが、そこに書かれていないことを聞き出すのが面接における質問ではないでしょうか。単純に「○○については書かれているけれど、□□については書かれていないなぁ」ということを聞くのです。
記入漏れかもしれないし、本人があえて書かなかったのかもしれませんが、書類の情報で足りないと思ったところを質問で補います。これが、面接で質問することの最も大きい意味だと考えられます。
このように反応を見るのではなく、書類にない情報を引き出すことが、面接する側のコツになるでしょう。
面接する側のマナー、質問してはいけないことがある!
面接では書類に書かれていないことを質問すればよいのですが、それ以外に、実は聞いてはいけないことがあります。面接する側のマナーとして、ぜひ知っておいてください。厚生労働省が具体例をまとめていますので、実際に挙げてみましょう。
『本人に責任のない事項』を聞かない
以下の、本人に責任のない事項については配慮が必要です。
- 本籍・出生地に関すること (注:「戸籍謄(抄)本」や本籍が記載された「住民票(写し)」を提出させることはこれに該当します)
- 家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)(注:家族の仕事の有無・職種・勤務先などや家族構成はこれに該当します)
- 住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近郊の施設など)
- 生活環境・家庭環境などに関すること
『本来自由であるべき事項』を聞かない
以下の、本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)についても配慮が必要です。
- 宗教に関すること
- 支持政党に関すること
- 人生観、生活信条に関すること
- 尊敬する人物に関すること
- 思想に関すること
- 労働組合に関する情報(加入状況や活動歴など)、学生運動など社会運動に関すること
- 購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること
※こちらの厚生労働省のサイトで詳しく説明されています。
このように、面接では聞いてはいけないことがありますので、面接する側のマナーとして十分注意してください。
面接する側の基本、中身ではなく外見を注視する
面接をやっても人物がよく分からないわけですから、中身ではなく外見的な部分を注視すべきではないでしょうか。例えば、服装や持ち物などの身だしなみや、挨拶の仕方などの所作を見ることになると思います。
どちらかというと、センスというよりは清潔感があるかとか、失礼な態度をとっていないかなどといったところです。意外と、体格を見るのも重要かもしれません。というのも、写真やリモート画面では全身が見えないからです。
例えば、リモート面接後に実際に会ってみると、「こんなに背が高かったのか!」となったりすることが多いそうです。なので、実際に目で見て外見をしっかりチェックするのは、案外大事なことだといえるのではないでしょうか。
何を基準に採用の可否を判断すべきなのか?
面接で何も分からないのであれば、何を採用の基準にすべきなんでしょうか? 質問しても人間性や性格などのようなものを見抜くことはできませんから、やはり何らかのテストを実施することが重要になると思われます。
例えば、SPI や玉手箱など有名な適性検査がありますが、弊社がお勧めするのはEQPIテストです。このテストは、EQ(感情能力)とPI(性格特性)が分かります。EQは簡単に言うと人間力のことで、人付き合いの上手さや仕事への積極性を表します。
EQPIテストなら、性格的に自社の仕事に向いているかどうかと、一生懸命やる気を持って働いてくれるかどうかが分かります。職業人として最も大切な人間性を、数値やグラフで読み取ることができるテストなのです。
まとめ
ここまで、面接する側の注意点を説明してきましたが、いかがでしたでしょうか?
そもそも面接は、受検者の隠れた人間性を見抜けるものではありません。なぜなら、対策ができるからです。訓練された『面接を受けるプロ』が来ると思うべきでしょう。したがって、面接を合否の判定に利用するのは難しいといえます。
では、面接をどのように生かすのかというと、実際に会って外見を確認する場面であるといえるのではないでしょうか。写真や画面ではどうしても実物とは違って見えるからです。また、質問については、書類では分からないことを聞きましょう。
最終的な合否の判断材料は、何らかのテストを活用することが有効です。EQPIテストを実施すれば、面接で一番見抜きたい人間性が明確になります。自社の仕事に向くかどうか、人間力がある人かどうかがはっきりしますので、検査を重視していただければ幸いです。
以上、面接する側の注意点を説明しました。