基本的性格特性(Big5)とは何か説明します。読者対象は、基本的性格特性という性格の考え方について知りたい方です。概念的な話にとどまらず、性格を構成する5つの特性因子についてもご紹介しています。
基本的性格特性(Big5)とは?
「基本的」性格特性(Big5)とは、いわゆる人間の性格を示したものです。この理論で特徴的なのは、性格を一言でいうのではなく、「組み合わせで表している」点ではないでしょうか。具体的には、以下のような考え方になっています。
「人間の性格は、5つの特性因子の組み合わせによって構成されるという前提に立ち、各因子の強弱から性格をとらえる」という考え方で、アメリカの人格心理学者【ルイス・R・ゴールドバーグ】が提唱した特性理論が元となっています。
つまり、5つの因子のどれが最も強く(高く)、あるいは弱く(低く)現れるかによって、性格が決まってくる(読み取れる)といえるのです。したがってBig5とは、この5つの因子のことを指しているわけなんですね。
そこで、基本的性格特性(Big5)について、5つの因子を詳しく見ていこうと思います。
基本的性格特性(Big5)を構成する、5つの因子とは?
それでは、基本的性格特性(Big5)を構成する因子について説明します。因子は5つありますので、しっかりとすべてに目を通してください。
外向性
外向性という因子は「外界への関心が強く、関わっていく姿勢」と定義されています。これが高いと「様々なことに関心を持ち、自ら関わっていこうとする」姿勢が見られ、低いと「求められていないことや余計な事には口を挟まない」姿勢が見られます。
外向性は、さらに以下の3つの構成概念によって成り立ちます。
- チーム志向
- 気さくさ
- フットワーク
3つの構成概念など「外向性」の詳しい内容は、以下のページで説明しています。
協調性
協調性という因子は「他者との関係性を構築する姿勢」と定義されています。この因子が高いと「他者に対し、同調していこうとする」姿勢が見られ、低いと「独りでも黙々と進めることができる」姿勢が見られます。
協調性は、さらに以下の3つの構成概念によって成り立ちます。
- 協調優先
- 多様性への対応
- 説得・交渉
3つの構成概念など「協調性」の詳しい内容は、以下のページで説明しています。
良識性
良識性という因子は「良心や道徳心を持って誠実に他者や事柄と向き合う姿勢」と定義されています。これが高いと「正しいことを誠実に行おうとする」姿勢が見られ、低いと「理想にこだわり過ぎることなく、状況に応じた対応が取れる」姿勢が見られます。
良識性は、さらに以下の3つの構成概念によって成り立ちます。
- 役割意識
- 誠実
- 完遂
3つの構成概念など「良識性」の詳しい内容は、以下のページで説明しています。
情緒安定性
情緒安静性という因子は「時々の感情に左右されず、不快なことでも冷静に受け止める姿勢」と定義されています。これが高いと「感情に左右されることなく、どのような状況であっても冷静」な姿勢が見られ、低いと「情熱を感じさせ、周囲のムードメーカーにも。今の感情がわかりやすい」姿勢が見られます。
情緒安定性は、さらに以下の3つの構成概念によって成り立ちます。
- 安定性
- 回復力
- 配慮
3つの構成概念など「情緒安定性」の詳しい内容は、以下のページで説明しています。
知的好奇心
知的好奇心という因子は、「知識の獲得に対する開放的な姿勢」と定義されています。この因子が高いと「知りたいことや疑問に対し、探求する」姿勢が見られ、低いと「やるべきことに対し、しっかりと対応できる」姿勢が見られます。
知的好奇心は、さらに以下の3つの構成概念によって成り立ちます。
- 情報欲
- 緻密性
- 論理性
3つの構成概念など「知的好奇心」の詳しい内容は、以下のページで説明しています。
まとめ
基本的性格特性(Big5)は5つの特性因子によって成り立ち、さらに3つずつ15の構成概念で説明される理論であることが、お判りいただけたと思います。したがって、性格は一言で表せるような、簡単なものではないといえるでしょう。
具体的には、どの因子や概念が高く出るか、あるいは低く出るかによって性格がおおよそ決定されるといえます。ある概念が突出する場合もありますし、いくつかの概念が横並びになる場合もあります。それらを組み合わせて性格とするのです。
また、基本的性格特性においては「良い性格、悪い性格」という発想はなく、どの場面で表出するかで「よい面が出た、悪い面が出た」となります。また、性格を変えるのは難しいとされていますので、自身の性格を理解し活用することが重要だといえるでしょう。
以上、基本的性格特性(Big5)について説明しました。