配属ガチャについて、企業が知っておくべき超重要ポイントを説明します。読者対象は、配属ガチャについて知っておきたい人事担当者や経営者です。言葉の意味だけでなく、新卒者の心理状態について詳しく解説しています。
なぜ配属ガチャについて、企業が知っておくべきなのか?
「配属ガチャについて企業側も知っておくべきではないか?」と感じたために、あなたはこちらのページをご覧になられていると思います。特に新卒者がよく使う言葉ですが、この言葉の裏にある感情をよく理解しておく必要があるでしょう。
というのも、せっかく入社してくれた若者が、配属ガチャによってかなり強い精神的なダメージを受けてしまうからです。つまり、配属ガチャについて知ることは新入社員の心理を理解するだけでなく、末永く勤めてもらううえでとても重要であるといえます。
そこで、配属ガチャについて企業が何を知っておくべきなのか、その意味や対策などを詳しくご紹介していきましょう。
配属ガチャ、企業が知っておくべき7つの超重要ポイント!
それでは配属ガチャについて、企業が知っておくべきポイントを説明します。超重要なポイントが7つありますので、ぜひしっかり目を通して頭に入れてください。
配属ガチャとは?
まず、配属ガチャについてその意味を確認しておくと、これは造語です。会社における部署や仕事への「配属」と、玩具の購入ができる機械である「ガチャ」の組み合わせです。ガチャは自分で玩具を選ぶことができませんので、運がすべてといえますよね。
したがって、「配属ガチャ」という一語になると、配属がまるでガチャのように当たり外れがあるということになるのです。配属を知らされた新入社員は「ラッキーあたりだ!」とか「残念ハズレだ…」といった具合に感じることになるでしょう。
自身が希望する配属になるかどうかは運次第で決められるものであって自分ではどうすることもできないところと、自分が希望する商品が買えるかどうかはやはり運次第であるガチャがよく似ているところから、「配属ガチャ」と呼ぶようになったようです。
このように、配属は運任せという意味で「配属ガチャ」という言葉が使われているということを知っておきましょう。つまり、新卒者にとっては楽しみどころか、非常に緊張を強いられるようなイベントであるといえるんです。
配属ガチャの当たりとは?
では、配属ガチャの当たりとは何でしょうか? 最も当たりといえるのは、自身の希望にピタリと当てはまった配属になった時です。例えば、営業をやってみたいと思っていた新人にあてがわれた配属が営業であれば、希望通りですよね。
他にも、研究職をやってみたいと思っていた新人に対して研究職の配属が決まったり、事務職をやってみたいと思っていた新人に対して事務職への配属が決まったりすれば、やはり希望通りの配属になっています。
自身の希望通りに配属されれば、まさに当たりどころか大当たりだといえます。仮に、これが希望とは多少違った配属になったとしても、これだけはやりたくないと思っていた配属がされなければ「まあ、良しとするか」と小さな当たりになるのではないでしょうか。
配属ガチャで当たりを引いた新人は、胸をなでおろすことでしょう。
配属ガチャのハズレとは?
一方で、配属ガチャのハズレとは何でしょうか? これは間違いなく、絶対に嫌な仕事や部署に配属されてしまった時です。例えば、研究職を希望していた新人が営業にまわされてしまった場合がまさにハズレもハズレ、大ハズレだといえます。
他にも、営業職を希望していた新人が研究職など内勤を命じられてしまうと、やはり希望とは全く違いますから、ガチャにハズレてしまっていますよね。「うわぁ~、なんで営業じゃないんだよ!」と心の声が思わず漏れてしまう人も少なくないはずです。
もちろん自身の希望と完全一致しなかった人も、場合によっては小ハズレと感じるかもしれませんね。これは微妙なところで、先ほど言ったように絶対嫌な配属ではないから「小当たり」かもしれないし、やっぱり希望とは違うから「小ハズレ」かもしれないです。
配属ガチャでハズレを引いてしまった新人は、非常に残念な思いになります。中には絶望すら感じてしまった人もいるのではないでしょうか(決してオーバーではありません)。
配属ガチャにハズレるとどうなるのか?
配属ガチャにハズレた新人はどうなるでしょうか? 当たった新人は問題ないのですが、ハズレた新人はショックを受けることになります。なぜなら、学生時代からやりたい仕事を明確にして、それに向かって勉強など着々と準備をしてきたからです。
何年間にもわたって準備してきたことが、配属というたった一つのイベントですべて水泡に帰してしまうのですから、本人にとってはたまったものではありません。昭和の古い人たちとは違って明確な目的意識があるのが今の世代ですから、当然だといえるでしょう。
そしてショックを受けた新人は、次のようになる場合が決して少なくないようです(中には辛抱強く頑張れる昭和人間のような人もいるようですが…)。
会社を辞める
配属ガチャでショックを受けた新人は、その傷が癒えぬまま会社を辞めてしまうことが少なくありません。やりたい仕事ができないということはやる気が起きませんから、日々ただただ仕事をこなすだけです。面白くもなんともないわけですね。
このような状況が長い間続くと思うと、本当に絶望を感じて明るい未来を全く描けなくなるのでしょう。結果的に会社を辞めるという選択をしてしまうんです。
転職を考える
配属ガチャにハズレた新人は、転職を考えることもあります。これは先ほどの会社を辞める決断に近いですが、辞めた先を考えているという点では少し違うでしょう。おそらく第二新卒として新たに転職(就職)活動をすると思われます。
つまり、このままこの会社にいたのでは自分のやりたい仕事に就けないと考えて、別の会社に移ることを考えているわけですね。他の行動と比べると気持ちを切り替えていますので、前向きな精神状態だといえるのではないでしょうか。
負けたと思う
配属ガチャという勝負に負けたと考える新人もいるようです。もっと言えば、いわゆる負け組に転落した気持ちなのでしょう。「負けた」という気持ちのまま、ただただ仕事をこなすようになることが想像できます(就職活動の辛さを考えて辞めようとは思わない)。
仕事はお金を稼ぐ手段とだけ考え、指示待ち人間になることが予想されます。仕事を金額換算したり、休日の多さや残業の少なさだけに注目することになるでしょう。仕事に対する楽しさを感じることはなく、ただ働くだけだと思われます。
適応障害になる人も
配属ガチャでショックを受けた結果、適応障害になる人もいるようです。ハズレの配属をされてしまったことで気を病んでしまうのですが、決して珍しいことではありません。なぜなら、近年の若者は我慢や辛抱ということがあまりできないからです。
辛抱できない人に対して適さない配属をするわけですから、適応障害を発症しても不思議ではないわけです。このような事態に至ってしまうと、もはや配属云々の問題ではなくなります。一人の若者の人生を壊しかねないわけですから。
ガチャのような配属には害しかない!
そもそも、配属がガチャに例えられる時点でおかしいでしょう。配属に当たりとハズレがあって、当たりを引いた場合は良いとしても、外れた場合には精神的に参ってしまうわけですからガチャのような配属には問題があることに気づくべきです。
会社側がどのように考えていても、新人にとっては「将棋の駒」のように扱われている感覚なんです。到底、人として扱ってもらえているとは思えないんですね。会社運営のための道具としか見られていないと感じるのです。
つまり、配属をガチャになぞらえることは「当たり・ハズレ」だけでなく、「私たちを人間として扱っていない」という裏の意味が込められているといえるのではないでしょうか。これまでのような配属の仕方は限界にきているといえそうです。
配属ガチャが続けば求人にも影響する!
配属ガチャをこのまま続けると、新規の求人にも影響するでしょう。なぜなら、「あの会社はやめたほうがいいよ、配属がガチャだから」とうわさが広まってしまうからです。給与がよくても待遇などの環境がよくても、配属でハズレを引く可能性があるのですから。
何だったら多少給与や待遇がよくなくても、希望する配属をしてもらえる会社を選ぶ新卒者は少なくないと思います。つまり、ガチャ的な配属を続けていると新卒者からそっぽを向かれるようになり、若者が誰も集まらない会社になってしまうのです。
もし会社の人事や経営者が「配属なんてそんなもんでしょ」などと呑気に構えているのであれば、その考えは即刻捨てるべきです。そのような会社に、明るい未来などやってこないことを覚悟して、もっと危機感を感じてください。
どのような対策が必要なのか?
では、どのような対策を講じればいいんでしょうか? それは、ミスマッチのない配属を行うことにつきます。つまり適材適所ということで、その際に大切なのが技術的な面ではなく精神的な面を重視することです。
なぜなら、技術面の適性は習熟によって解決できますが、性格的な向き不向きは変えにくいからです。もちろん、会社としても人材不足の部署に配属したいでしょうが、新人も自分がやりたいことや向いたことに配属してほしいと思っているのです。
ココがミスマッチポイントです。多くの会社がやりがちなのが性格を無視した増員で、これをしてしまうと個人の適性に合わない配属になります。個人の希望に沿うのは難しいかもしれませんが、向かない仕事をさせるのはおかしいです(当人にとっては地獄)。
もし「向き・不向きなんてわからん!」というのであれば、適性検査を活用してください。検査で性格的な向き不向きがわかれば、配属する側もされる側も納得がいくでしょう。性格的な適性で配属して、ガチャにサヨナラしてほしいと思います。
まとめ
ここまで、配属ガチャについて企業が知っておくべきポイントをご紹介しました。感情という点に焦点を当てましたが、いかがでしたでしょうか?
配属ガチャという言葉の意味から始まり、当たりやハズレについて説明したのち、外れた人がどうなるのかについても詳しく解説しました。お気づき頂きたいのは、ガチャのような配属は新人だけでなく会社にとってもデメリットが大きいところです。
せっかく入社してくれた新卒者に対して、ミスマッチな配属をしたために辞めてしまわれるわけですから、当人だけでなく会社にとっても大きな損失なのです。簡単かつ確実な解決策は、検査によって性格的な適正を把握し、それに基づいて配属することでしょう。
検査に基づけば、配属はガチャではなくなります。「あなたは人に会ったりコミュニケーションを図ったりすることが得意だと検査で出たので営業です」となれば、会社と新人の双方が納得できますよね。第三者機関による検査という根拠があるわけですから。
このように、配属をガチャのような運任せのものという認識から、誰もが納得できるものへと変貌させることが重要であることをご理解いただければ幸いです。
以上、配属ガチャについて企業が知っておくべき超重要ポイントをご説明しました。