学歴より大切なもの、人間力とは?

学歴より大切なものとは?

学歴より大切なものについてお話しします。読者対象は、学歴より大切なものとは何か知りたい方ですが、人事担当者や経営者にも読んでもらいたい内容です。学歴よりも人間力が大切であることが証明されているからです。

なぜ学歴より大切なものは、人間力なのか?

「学歴より大切なものとは何だろうか?」と考えたために、あなたはこちらのページをご覧になられていると思います。多くの会社が学歴(偏差値)などの学力を中心に人材を集めていますが、それで本当に良いのか疑問を感じたのではないでしょうか。

日本電産会長の永守重信氏は、学歴に偏重した採用の仕方に疑問を感じて調べたところ、成果に対して学歴がほぼ関係ないどころか、場合によっては悪影響を及ぼすことを確信しました。学歴ではなく人間力が高い人の方が、後々成長して成果を上げていたのです。

では、なぜ学歴よりも人間力が重要なのか、永守氏の著書から引用しつつ詳しくご紹介していきましょう。

学歴より大切なものが、人間力である理由を解説!

それでは、学歴よりも大切なものが人間力である理由を詳しく説明します。5つのポイントに分けて説明していますので、ぜひすべてに目を通してください。

永守重信氏が語った、衝撃的な事実とは?

永守重信氏は、日本電産の代表取締役会長(執筆時点)であり、長年会社を引っ張り続けてきた方です。永守氏が言うには、社会人にとって最も大切なのは『人間力』なのだそうです。人間力の高い人は入社後にぐんぐんと成長し、その後大きな成果を出すのだとか。

以下、永守氏の書かれた文章からの抜粋です。

偏差値の高い低いにかかわらず、何かに打ち込んできた人や個性の光る人は、何でも前向きに取り組み、人が嫌がるような雑務もこなす気概がある。こうした人たちは、自ら問題意識を持って仕事に臨むため、みるみる実力をつけていき、入社してから数年後には大きな成果を出している。

永守氏のいう人間力(ここでは気概と表現)とは、自ら進んで物事をしている人であることがうかがえます。自分で物事を考えて積極的に問題解決に取り組むという、一言で言えば「情熱がある人」とか「熱い人」と考えられますね。

このような『人間力』のある人が、実社会で活躍するといっているのです。一方で、学歴(偏差値)が高い人は成長しにくいらしく、これも永守氏の文章から抜粋してみましょう。

私のみる限り、偏差値の高い大学を出ているのに成果をあげていない人というのは、与えられた仕事はうまくこなすものの、自分から率先して仕事をとってきたり、創意工夫して良い方法を考え出したり、状況の変化に応じて自ら判断して動くことが少ない。

一般的に上司の指示を待っている「指示待ち族」が多いように思う。

学歴が高い人ほど指示されるまで動けず積極性がないために、入社後に成長しづらい傾向であることがうかがえます。なので、学歴だけを基準にして新卒採用するのは、後々の成長を考えると良いやり方ではないといえそうです。

人間力とは何か?

ところで、人間力とは具体的に何でしょうか? これは永守氏が答えを出していますが、人間力とはEQのことなのです。EQとは「Emotional Intelligence Quotient」の略で、日本語に訳すと感情能力という言葉になります。

人間力とは何か説明します。読者対象は、人間力について具体的に知りたい方です。抽象的で分かりにくい人間力という概念を、EQという具体的な理論を用いて説明しています。

具体的には、『自分理解・他者理解・自分活用・関係構築』という4つの感情能力の発揮度合いを表しています。基本的には、自分の感情をコントロールしながら他者の感情も感じつつ、良好な関係を築くというものです。

また、上記4つの能力の発揮度合いから、「受動的」なのか「能動的」なのかというものも決まります。当然のことながら、発揮度合いが高いと能動的で自ら行動する人です。永守氏は以下のようにEQについて述べています。

EQとは感情の豊かさを表す能力のことで「心の知能指数」とも呼ばれているが、意欲や矜持を生み出す原動力になるものであり、まさに人間力といえるだろう。

この人間力であるEQが、学歴のIQよりも大切であると永守氏は訴えているのです。

【参考】EQはどのようにして調べるのか?

EQは、EQPI検査を受けると数値やグラフで可視化できます。受検すると先ほどの4つの発揮行動だけでなく『EQワークスタイル』も分かります。これにより、いわゆる「指示待ち人間」なのか、「自発的に動ける人」なのかがハッキリ出るのです。

なぜ人間力が重要なのか?

では、なぜ永守氏は人間力、つまりEQが重要だと言い切るのでしょうか? それは、自社に入社した新卒者を長年見てきて気づいたことなのだそうです。

日本電産では、これまで多くの大卒・院卒者を採用してきた。だが、あるとき私は「社員の出身大学と仕事の成果に、どのくらい相関関係があるのだろうか」と疑問に思い、直近十数年で採用した新卒の社員一人ずつについて、仕事の成果のデータをとってみた。

すると、一流と呼ばれる大学を出た社員も、世間では三流と呼ばれる大学を出た社員も、入社後10年ほどの時点では仕事の成果に大きな差がないことがわかった。

要するに「成果を出せることと学歴の間には相関関係がない」ということなのです。永守氏はさらに以下のようにも語っています。

むしろ偏差値の高い大学の出身者には真摯に学ぼうという気持ちが薄く、成果をあげられない者も多かった。同じ入社年次でも、三流と呼ばれる大学出身の社員のほうが活躍していることもあった。

人間力が高い人なら、いわゆる「三流大学」出身者であっても成果を上げていることが分かります。具体的にどれくらいの差があるのか気になるところですが、永守氏の実感では、IQよりもEQの方が100倍も成果を出せるというのです。

これまで多くの従業員や経営者を見ていて実感するのは、IQなどの能力的な差が生み出す成果の差は、どんなに頭がいい人でも普通の人のせいぜい5倍程度だということである。

しかし、EQの高い社員とやる気のない社員の成果の差は100倍以上にもなることがある。いや、もしかしたらそれ以上かもしれない。

このような結果から、成果を上げられる社員は人間力、つまりEQが高い人であることを把握したというわけなんですね。だからこそ学歴や偏差値といった学力ではなく、人間力を重視すべきだと永守氏は言い切っているのです。

人間力を伸ばすことはできるのか?

ところで、人間力であるEQは伸ばせるんでしょうか? 答えはYESです。一般的にIQを伸ばすのは難しいといわれていますが、EQを伸ばすのは比較的簡単だといえます。なぜなら、能力を伸ばすための方法論が確立しているからです。

多くの方が感情に抱く認識は、「悲しいから泣く」とか「楽しいから手をたたく」といったように、感情の変化によって行動するというものだと思います。ところが、【逆もまた真なり】という考え方が適用できるのです。

つまり、「泣くと悲しくなる」とか「手をたたくと楽しくなる」ということが言えます。行動が先行すると、それに応じて感情が変化するのです。したがってEQ理論では、行動によって感情を変えるというやり方を実践します。

例えば、他者に対して心を開けない人は挨拶を積極的にするのです。オープンな人だから挨拶するのではなく、挨拶すると心を開くようになるんですね。

従業員教育で業績は伸びる!

永守氏が会長を務める(執筆時点)日本電産は企業買収も行ってきたそうですが、その際に買収先の企業に行ったのは、リストラではなく従業員教育なのだそうです。あるライバル会社を買収した際に従業員教育を徹底したところ、以下のようになったのだとか。

同じ従業員たちが同じ設備をそのまま使い、景気もそれほど大きく変わっていないのに、前年に287億円もあった赤字を、わずか1年で150億円の黒字へと変えることができたのである。

何が変わったのか。それは、従業員の意識である。

つまり、EQを高めるように意識改革を行ったところ従業員の意識が変わり、業績を伸ばすことができたというのです。この場合はコスト意識を持つように指導したそうですが、学力などではなく意識という感情の部分を変えることが、業績の回復につながったといえます。

もちろん、一定レベルの学力は必要ですが、そこから先の伸びしろの部分は人間力の高い人だけが成長できるといえるのではないでしょうか。

まとめ

ここまで、学歴より大切なものについてお話してきましたが、いかがでしたでしょうか?

学歴より大切なものは『人間力』であると説明しました。永守氏の経験上、学歴(偏差値)が高い人よりも人間力が高い人の方が将来的に活躍するというお話を引用しましたので、非常に信ぴょう性のある情報としてご理解いただけたのではないかと思います。

今回のお話は、IQ の高さを否定するものではありません。なぜなら、EQを発揮させるためにはある程度のIQの高さが必要だからです。また、何か素晴らしい発明をする方や難しい法律を理解できるような方たちもIQが高い人だと思われますので、そこも無視できません。

しかし、よほどの天才でない限り、人間力の高さに勝るものはなかなか見当たらないのではないでしょうか。つまり、従業員に対して人間力(EQ)を高める教育を実施すると、非常に分かりやすく業績アップにつながる、効率の良い投資になるのです。

技術的な教育のみならずEQを高める教育の実施が、本人を育て会社の業績をアップさせる原動力になることを、ぜひ頭に入れて実践していただければ幸いです。

以上、「学歴より大切なものは人間力である」というお話しをさせていただきました。

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