EQPIを社員教育に活用する方法についてご説明します。読者対象は、社員教育に携わる方や人事担当の方です。EQPIを導入すると何が良いのか、どのように使えばよいのかを具体的に解説しています。
なぜ、EQPIを社員教育に使うのか?
「EQPIを社員教育に使ったらいいんじゃないか?」と考えたために、あなたはこのページをご覧になられていると思います。確かに、EQPIを社員教育に使うのは、非常に相性が良いといえます。なぜなら、EQPIは人材育成のために考案されたからです。
したがって、EQPIを基にした社員教育プログラムを実施すれば、非常に高い成果が出るといえます。ですが、実際のところどのように教育プランを立てて実施するのか、やり方がピンとこない方が、少なくないのではないでしょうか。
そこで、EQPIをどのように社員教育で活用するのか、詳しくご紹介しようと思います。
EQPIを社員教育に活用する、7つのポイント!
それでは、EQPIを社員教育に活用する時のポイントを説明します。ポイントは全部で7つありますので、しっかりと頭に入れてください。
EQPIを社員教育で使う目的とは?
EQPIは、社員の心を成長させるのが狙いです。したがって、社員の技術的スキル以外の部分として人間関係(人付き合い)を良好にすることが、EQPIを導入する目的になるでしょう。良い職場環境の構築には『心の成長』が欠かせません。
簡単にEQPIに関して説明しておきますと、心の状態と性格を検査によって見える化して、感情を上手にコントロールできるようになろうとするものです。自分と他者の感情を感じることと、コントロールすることの両方ができれば、良好な人間関係が構築できます。
離職理由の多くが人間関係や職場の雰囲気に起因しますので、それを防ぎ社員が生き生きと働ける環境をつくるためには、EQPIを活用した社員教育が不可欠だといえます。
EQPIを使った社員教育のやり方とは?
では、EQPIを使ってどのように社員教育を行うのでしょうか? 元々、人材育成のために考案されたのがEQPIですので、その点は方法論が確立しています。ザックリ流れを説明しますと以下の通りになります。
- 社員に対してEQPI検査を実施する
- 検査結果から弱い部分を見つける
- 改善策を検討する
- 本人が改善策を実施(トレーニング)する
- 一定期間後に再度EQPI検査を実施する
- 検査結果から改善度合いをチェックする
このような流れになります。いったんトレーニングに入れば、後はPDCAのように繰り返すことで改善を図ります。成果が数値やグラフで『見える化』されるので、客観的な評価を基にできるのが強みだといえるでしょう。
なお、結果シート(結果が見える化された用紙)は、見方や解釈の仕方が重要なポイントになりますので、EQPIアナリスト(トレーナー)の助言を受けることもできます。
このようなやり方で、社員の心を成長させることになります。
EQPIは社員教育のプランが立てやすい
EQPIは社員教育のプランが立てやすくなっています。というのも、先ほどの流れを見ていただいた通り、やるべきことが決まっていてそれに沿って実施するからです。例えば以下のようにプランを決めることができるでしょう。
実施項目 | 実施期間 |
---|---|
EQPI検査の実施 | 入社直後に実施(例えば4月第2週) |
検査結果の分析 | 結果は数日後 (例えば4月第3週) |
改善策の検討 | 内容は当日検討(例えば4月第3週) |
改善の開始(トレーニングの開始) | 翌週から開始 (例えば4月第4週) |
EQPI検査の再実施 | 数か月後に実施(例えば6月第2週) |
結果分析(改善度合いの確認) | 分析は数日後 (例えば6月第3週) |
このように、入社直後にEQPI検査を実施し、そこから順を追って内容を進めます。なお、心に変化が現れ始めるには数か月を要しますので、ここでは2か月後に再検査としています。実施にはもっと期間が長くても良いと思います。
これに、一般常識や社内ルールなど様々な内容を付け加えてもよいでしょう。今回は、新卒社員を想定していますが、もちろん中堅やベテラン社員に対しても適用できます。
EQPIは対人スキルの向上が期待できる
EQPIは、社会人にとって重要な『対人スキル』の向上が期待できます。これは、「自分や他者の感情を感じ取って場に応じた気持ちを作れるようにする」というEQPIが本来目指しているところに、ピタリと当てはまるところだといえます。
例えば、上司に厳しく指導されたとして、「何でこんなことで怒るんだよ!」と逆切れする人がいると思います。しかし、EQPIでトレーニングすると「なぜ大したことでもないのに怒っているのだろうか?」と冷静に考えることができます。
対人スキルをアップできれば、職場における人間関係や労働環境(雰囲気)の改善につながりますので、働きやすい職場が構築できるでしょう。この分野は、EQPIが最も得意としているところですので、期待していただきたいと思います。
EQPIはコミュニケーション教育にも使える
EQPIがコミュニケーション教育にも使えるといわれると、「関係がなさそう」と思われるかもしれません。しかし、単に話ができるということがコミュニケーションではなく、相手が気持ちよくなるような話し方、言葉や話題の選び方がとても重要です。
すると、相手の気持ちを察する能力が必要になり、淀みなくしゃべる能力とは別の次元の話になるのです。「今このような単語を発すると、相手の気分を害するかも?」といったことが分かるだけでなく、別の言葉に置き換える実際の行動も必要になります。
このように、社員の対人能力を改善するのがEQPIの真骨頂です。したがって、コミュニケーション教育と非常に相性が良いといえるでしょう。
EQPIによって意識改革が期待できる
EQPI検査を受検し、結果に基づいて自主的にトレーニングを行うと、本人の意識が変化していくのが分かります。対人能力が高まってくると、自分と相手の気持ちを理解することになりますので、自然と他者に対する態度が変わってくるのです。
つまり、自分の気持ちや相手の気持ちが分かるようになると、「この状況ではこういう言葉づかいと態度を取らないといけない」といったことに気付くようになります。すると、あらゆることに対して思慮深くなり、意識するようになるのです。
それによって、自分勝手に考えたり行動したりしてはいけないということを学び、『我を通す場面と相手を優先する場面』など、状況に応じた対応ができる社員になります。要するに、意識改革が行われているわけですね。
EQPIはヤル気を引き出しやすい
EQPIがうまく効力を発揮すると、やる気を引き出すことができます。なぜなら、物事に対する考え方や意識が変わることで、今まで気が進まなかったことでも楽しく感じたり、積極的になったりするからです。
少なくとも、やる気のない態度をとることはなくなります。本人が不得意なものであったり、興味が持てないものであったりしても辛さを感じにくいわけですから、楽しいとは思わないにしても、精神的な負担はぐっと抑えられるでしょう。
このようにEQPIをうまく活用すると、多少難しい仕事や面倒な仕事であっても、やる気を出して頑張れる社員になることが期待できます。
まとめ
ここまで、EQPIを社員教育に活用するというテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?
EQPIは心に変革をもたらすことができ、仕事への向き・不向きも同時に見えますので、「社員の育て方と適材適所の配属」が分かるといえます。もちろん、仕事の技術は別途教育する必要がありますが、心の教育という点では有効な方法ではないでしょうか。
コミュニケーション能力が重視される世の中ですので、心を育てるということはとても重要だと思います。社員教育は、技術を育てることはもちろんですが、心の成長も同時にできなくてはいけないのです。技術だけでは足りないといえます。
心が成長すれば対人能力が高まりますので、人当たりが良くなり、同僚・先輩・後輩への接し方が変わるだけでなく、接客もうまくなるでしょう。社員教育では、心の成長を促して人間力も高める必要があることを忘れないでください。
以上、EQPIを社員教育に活用する方法に関してご紹介いたしました。