EQで職場作りをするときに、知っておくべき7つのポイントを説明します。読者対象は、課長や部長など管理職やリーダーの方ですが、幹部の方や経営者もご一読ください。働きやすい職場作りを心理という視点で解説しているからです。
なぜ、EQが職場作りで重要なのか?
「EQを職場作りに活かせないだろうか?」と考えたために、あなたはこのページをご覧になれていると思います。職場は小さな社会ですので、いろいろな人がいます。なので、良好な人間関係を構築しないと雰囲気が暗くなったり険悪になったりしかねないでしょう。
そのようにならないためには、感情をうまくコントロールしてお互いを尊重できるような心の持ち主を増やす必要があるわけですが、EQを活用すればうまくいくのではないかと思われたのではないでしょうか。でしたら、それはとても正しい選択です。
EQは感情をコントロールして、場に応じた気持ちを作れる人になるだけでなく、相手の気持ちを察して対応できるようになります。つまり、EQ理論を導入すれば、雰囲気の明るい良好な職場作りが比較的簡単にできるといえます。
そこで、どのように導入すればよいのか、重要なポイントをご紹介しましょう。
EQで職場作り、ポイントは7つある!
それでは、EQで職場作りをするときのポイントをご紹介します。ポイントは7つに絞りましたので、しっかりと頭に入れてください。
EQの理解を全社的に深める
まずは、全社的にEQに対する理解を深める必要があるでしょう。なぜなら、半信半疑の人が多いとEQ理論がうまく浸透しないからです。ですので、内容を信頼して受け入れてもらうための周知期間が必要になると思われます。
具体的には、EQについての説明会や講演会を行ったり、代表者が検査を受けてみて実際にどのようなものであるのか感想を披露したりするなど、全社を挙げて理解してもらう体制づくりが当面の目標になるでしょう。
なので、EQ導入に向けて中心となる方が多少汗を流し、周知期間を設けてEQの理解を全社的に進めるように努力する必要があるのではないでしょうか。
社員全員がEQPI検査を受ける
全社的な周知が終わったところで、社員全員に対してEQ検査を実施しましょう。なぜなら、問題点を明確にしなくてはいけませんので、第三者的な指標が必要だからです。ここでは、感情能力だけでなく性格も分かるEQPI検査について解説します。
※EQPIは株式会社EQの登録商標です。
新入社員がEQPI検査を受ける
新入社員といえば、新卒採用と中途採用があると思いますが、この場合は両方です。両方の新入社員に対してEQPI検査を受けさせてください。特に、新人の場合はどのような人なのか人柄や感情能力が分かりませんので、非常に役に立つと思います。
また、EQPI検査の場合は性格特性が分かりますので、どのような仕事に向くのか適性も把握できます。つまり、適材適所の配属がしやすいといえます。適切な配属が行えれば、本人の満足度も高くなりやすいですので、早期離職を防ぐ効果も期待できるでしょう。
なお、できることなら採用試験の段階でEQPI検査を実施することで、人材を欲している部署の仕事に向くかどうかを事前に把握しておく方が良いでしょう。こうすれば、新入社員と現場の間にミスマッチが発生しにくくなるといえます。
中堅やベテラン社員もEQPI検査を受ける
より良い職場を作るのであれば、中堅やベテラン社員にもEQPI検査を受けさせるべきではないでしょうか。なぜなら、社会人の経験年数が長いからと言って、必ずしも心が成長しているとは限らないからです。
実は、最も変わらないといけないのが中堅やベテラン社員なのです。このような位置にいる人たちの人当たりが良くないために、良好な人間関係が作れない場合がきわめて多いといわざるを得ません。人間関係で退職する人が多いのは、ここに原因があるといえるでしょう。
ですので、良好な職場を作ろうとお考えなのであれば、中堅やベテラン社員に対するEQPI検査が最も必要なのではないでしょうか。
できれば、幹部社員や経営者もEQPI検査を受ける
できれば、幹部社員や経営者にもEQPI検査を受けてほしいところです。なぜなら、経営者やそこに近い人たちが変わらない限り、会社全体が変わらないからです。お分かりだと思いますが、経営者の方針一つで会社はガラッと変わってしまいます。
つまり、良い方向へガラッと変えればよいわけです。年齢が高い経営者の場合は、多少頭の固い人が多いとは思いますが、そこはうまく言いくるめてEQPI検査を受けるように仕向けてもらいたいと思います。上層部の理解が得られれば、占めたものです。
うまくいけば、社長命令で定期的にEQPI検査を実施し、職場作りが非常にうまくいくようになるのではないでしょうか。
このように、EQPI検査を全社的に受けてもらうことで、社員全員の対人能力がはっきりわかります。問題点が見える化されますので、改善に向けて動きやすくなるでしょう。
EQPI検査の結果を精査する
EQPI検査を受検すると、感情能力(EQ)と性格特性(PI)が分かります。具体的には、EQの4構成12発揮行動とPI性格特性が分かるのですが、それについてここで説明すると話が長くなりますので、詳しくは以下のページをご覧ください。
では、どのように精査していくのかというと、最初に性格特性を見ます。性格特性とは、人との関わり方や仕事における得手・不得手を表したものになります。これはその人が持つ本来の人間性ですので、変えることが極めて難しいものです。
そこで、性格特性を見ながら感情能力も確認します。感情能力は、性格の弱い部分をカバーしながら自分の感情をコントロールする力のことを指します。これを積極的に行っているかどうかが、数値としてあらわされます(こちらはトレーニングで変えられます)。
つまり、感情能力(EQ)の発揮度合いを確認して、あまり発揮されていない人を抽出するわけです。なぜなら、このようなタイプの人がいると、職場の雰囲気が暗くなったり働きにくいと感じたりする場合が多いからです。
EQトレーニングで改善を図る
EQをあまり発揮できていない人が見つかったら、改善に向けてトレーニングします。先ほど少し触れた12発揮行動それぞれにトレーニング方法がありますので、向上させたい発揮行動を1~2個に絞り込みましょう。一度にたくさんやってもなかなか続きません。
トレーニングは数か月に及びますので、継続しないと効力を発揮しません。なので、負担を減らして持続させるために、最も向上させたいものや続けやすいものに絞ってトレーニングするのです。全体的に底上げしたい場合でも、やはり数を絞って段階的に行います。
具体的なトレーニング方法は、行動を変えるというものです。EQは行動によって感情が変わるという理論ですので、それぞれの発揮行動によってトレーニングの方法が決まります。なお、実際にどんなトレーニングを行うのかは、EQPIアナリストにお聞きください。
これによって人間関係が改善され、明るく働きやすい職場環境が作られていきます。
EQPI検査の結果で配属が決めやすくなる
EQPI検査は配属決めにも使えます。先ほど少し触れましたが、検査結果で性格特性が把握できます。これは、人との関わり方や仕事における得手・不得手を表したものですので、そのまま適性としても読み取れるのです。
例えば、営業に向く人、デスクワークに向く人、コンタクトセンターに向く人、転勤に向く人など、様々な適性がEQPI検査から読み取れるのです。また、何がその人にとってのモチベーションになるのかといったことも分かりますので、かなり重要な情報だといえます。
適性に従って配属や人事が行えれば、本人にとっては非常に働きやすくなります。仮に残業をしたとして、好きな仕事であれば苦になりませんが、嫌な仕事であればウンザリする方が多いでしょう。適材適所の配属は、ストレスの軽減や生産性にも大きく影響するのです。
職場作りにおいては、適切な配属も重要な要素ではないでしょうか。
まとめ
ここまでEQを活用した職場作りについてお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?
今回は、EQ(感情能力)に PI(性格特性)をプラスした理論である、EQPIの活用についてご紹介しました。EQPIであれば、人間関係を良好にできるだけでなく、本人の適性に合った配属や人事が行えることがお分かりいただけたと思います。
このような第三者機関の検査を活用するメリットは、数値による明確な判断基準が生じるところです。勘に頼った曖昧なやり方ではありませんので、主観や偏見が入ることもなく、公平公正であることも重要なポイントではないでしょうか。
より良い職場作りを目指すのであれば、EQの活用は極めて有用であるといえるでしょう。会社の内部的なことだからこそ、第三者的な目線が必要であることを忘れないでください。
以上、EQで職場作りをするうえで知っておくべき、7つのポイントをご紹介しました。