EQをEIと言わない理由について説明します。読者対象は、なぜEQという呼び名なのか不思議に思われている方です。なぜEIと言わないのか、発端となったある出来事について過去に遡って詳しく解説しています。
なぜEQはEIと呼ばないのか、気になりませんか?
EQは元の単語を考えたら、EIと呼んだ方がよさそうな気がしませんか? ですが、実際はEQと呼ばれていますよね。わざわざ本来の意味とは少し違う呼び方をしているということは、それなりに意味があるということが読み取れるのではないかと思います。
ところで、このページで上記の件について説明している筆者はEQPIのアナリストですが、EIと呼ばない理由が気になっていました。EQに携わっている人間が疑問に思うのですから、それ以外の方が不思議に感じるのは当然だと思うのです。
そこで、なぜそのような呼び方になったのか意外な事実が分かりましたので、順を追ってご紹介していきましょう。
EQをEIと呼ばない理由はこれでした!
それでは、EQをEIと呼ばない理由を説明していきます。3つのポイントに分けて説明しますので、ぜひ最後まで目を通してください。
EQという言葉を確認しておきましょう
最初に、EQという言葉を確認しておきます。おそらくほとんどの方は意味をご理解していらっしゃると思いますが、「いや、ちょっとわからないなあ」という方もしらっしゃると思いますので、念のためご紹介させていただきます。しばしの間、お付き合いください。
まず、EQ とは「Emotional Intelligence Quotient」の略です。単語ごとに日本語に翻訳してみると、以下のようになります。
英単語 | 日本語訳 |
---|---|
Emotional | 感情的なさま・情緒的なさま |
Intelligence | 知能・知性・知力 |
Quotient | 指数・程度・比率 |
これをまとめると、「感情の知能指数」という言葉になるわけです。
ちなみに、IQは「Intelligence Quotient」の略ですから、非常によく似た言葉であることがうかがえると思います。
最初はEIという名前でした。
EQは、元々EIと呼ばれていたそうです。つまり、EQ理論が開発された当初は次のような名前だったことが分かります。
Emotional Intelligence ⇒ EI
これを日本語にすると、【感情能力】という言葉がしっくりきます。なぜなら、このような言葉を選んだそもそもの根拠が、「感情のコントロールがうまくできることは、知能(能力)の一つである」という考え方があるからです。
なので、Emotional Intelligence (日本語:感情能力)という言葉を作って、「EI」と呼ぶことにしたようなのです。ところが、ある時から「EI」を「EQ」と呼ぶようになります。いったい何があったのでしょうか?
なぜ、EIがEQになったのか?
では、いつからEIがEQに変わったのでしょうか? これは、EI(現EQ)がメディアに取り上げられたときに言葉ができたようです。
当時、EI理論に興味を持ったアメリカの『TIME 誌』がそれを特集しようとしました。その際に、IQ と比較したいというTIME 誌側の思惑から、比較しやすいように名前を EQに変えて紹介したのだそうです(1995年10月発刊のTIME誌で特集記事が載ったとのこと)。
IQと比較するのであれば、なまえも Quotient をくっつけて EQ にした方が受け入れやすいのではないかと、担当者が考えたのでしょう。IQ とEQ なら一文字違いですからね。つまり、理論を作った研究者ではなく、報道機関が考えた名前がEQだったのです。
これで、「Emotional Intelligence Quotient」の略が EIではなく EQである理由が分かったと思いますので、腑に落ちたのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
元々は EIと呼んでいたものの、報道機関が IQと比較したいというところから、EQという言葉が誕生したというのが、どうやら真実のようです。ちなみに、本来なら EIQの3文字だと思いますが、2文字のIQに寄せたのではないでしょうか。
ところで、EIがEQという名前で世の中に紹介された後も、理論の提唱者はしばらくEIという名前で呼んでいたそうです。ですが、いつの間にか正式名称もEQに変わったようです。商業的に考えれば、広まったEQの方が良いという判断なのかもしれませんね。
EQに携わっている筆者でもEIと呼ばない理由が気になっていましたので、記事に起こしてみました。ご覧いただいている方の疑問が解決すれば何よりです。
以上、EQをEIと言わない理由についてご説明しました。