EQの仕事への動機とは何か説明します。読者対象は、EQの仕事への動機についてその意味や活用方法を詳しく知りたい方です。動機についての解説だけでなく、それを利用することで何ができるのかもお話しています。
EQの仕事への動機、4つの視点とは?
EQの「仕事への動機」は、EQPIテストを受検すると結果シートに記載されます。動機とは分かりやすく言うと【やる気の源】のことです。つまり「どのような状況であればやる気を持って仕事に取り組めるか」が分かる指標だといえるでしょう。
仕事への動機には4つの視点があり、具体的には以下の通りです。
- 達成動機(たっせいどうき)
- 権力動機(けんりょくどうき)
- 親和動機(しんわどうき)
- 安全動機(あんぜんどうき)
これらの動機は、どれか一つだけ示されるというわけではなく、それぞれどれくらいの強さであるかを0~100の段階で示します。例えば「達成動機は70で高いけれど、安全動機は20で低くなっている」といったことが分かります。

※上記は結果シートより抜粋した実例です
そこで、それぞれの達成動機が何を表しているのか、具体的にご説明していきましょう。
EQの仕事への動機、知っておくべきポイントは5つです!
それでは、EQの仕事への動機について知っておくべきポイントをご紹介します。ポイントは全部で5つですので、最後までしっかりと目を通してください。
EQの達成動機とは?
EQの達成動機の定義は「達成・成功に向けて、困難なことでも諦めずに努力する動機」となっています。つまり、結果を出すことにやる気を感じることが分かりますね。達成動機が高い場合と低い場合の特徴は、それぞれ以下の表の通りです。
高 | ○ | チャレンジングな目標や困難なことでも、自分の力で達成・成功したい |
---|---|---|
▲ | 自分のやりがいばかりを重視し、リスクを予測せずチャレンジして失敗する | |
低 | ○ | 背伸びをせず、自分の能力に応じた仕事を求めていくため失敗が少ない |
▲ | 困難なことや責任の大きいことを、無理してまでやろうとは思わず避けたい |
EQの権力動機とは?
EQの権力動機の定義は「他人に影響(インパクト)を与え、権力を行使してコントロールしたいという動機」となっています。つまり、権力が行使できるとやる気を感じることが分かりますね。権力動機が高い場合と低い場合の特徴は、それぞれ以下の表の通りです。
高 | ○ | 周囲に対し影響力を行使して、責任ある立場で指示を与えそれに従わせたい |
---|---|---|
▲ | 他者からの指示を嫌い、それを拒否してしまう | |
低 | ○ | 指示されることに安心感を持ち、指示を受け入れる |
▲ | 主体的な動きはせず、言われたことだけに対し従順に処理したい |
EQの親和動機とは?
EQの親和動機の定義は「競争的な状況よりもコミュニケーション、相互理解を大切にして気持ちよく働きたい動機」となっています。つまり、仲良くすることにやる気を感じることが分かりますね。親和動機が高い場合と低い場合の特徴は、それぞれ以下の表の通りです。
高 | ○ | 争いを避け、コミュニケーションと相互理解を大切にして働きたい |
---|---|---|
▲ | 他者から嫌われたくない、よく見られたいという気持ちが強すぎて八方美人になる | |
低 | ○ | 必要以上に馴れ合いの関係をつくらない |
▲ | 組織の和を重視せず、他者からどう思われようとも構わない |
EQの安全動機とは?
EQの安全動機の定義は「安心・安全な状況を好み、失敗、挫折、困難な状況を回避しようとする動機」となっています。つまり、失敗しにくい状況にやる気を感じることが分かりますね。安全動機が高い場合と低い場合の特徴は、それぞれ以下の表の通りです。
高 | ○ | 失敗を回避するために安全で確実な行動をとり、受けた仕事を高い精度でこなしたい |
---|---|---|
▲ | 高い目標や苦手な相手との交流などの心理的負荷を嫌う | |
低 | ○ | 困難な状況であっても、それに向かって挑戦していく |
▲ | リスクがあるにも関わらず、行動せずにいられない |
「仕事への動機」は、どのように活用するのか?
仕事への動機は、仕事を振り分けたり配属を行ったりする際に活用できます。つまり仕事への動機を基にすれば、社員へやる気が起きやすい仕事や部署を割り振れるわけですね。以下に具体的な例を2つ挙げてご説明しましょう。
「親和動機」が低い人の場合は、例えば営業成績をライバルと切磋琢磨して競争するような状況下でやる気が起きやすいと考えられます。一方でチームワーク重視の他者と仲良くしながら行う仕事は、苦痛に感じると考えられるでしょう。
「安全動機」が高い人の場合は、定型業務などあまり失敗が無く安定した仕事や部署でやる気が起きると考えられます。逆に新規事業のようなチャレンジングな仕事は向かず、非常につらく感じてストレスになると考えられるでしょう。
説明のために2つ例示しましたが、実際には4動機それぞれに高・低があるので8パターンとなります。もしやる気のない社員がいたら、ぜひ動機を調べてみてください。おそらく本人の問題ではなく、仕事のミスマッチが起きていると思いますよ。
まとめ
ここまで、EQの「仕事への動機」について説明してきましたが、いかがでしたでしょうか?
仕事への動機ということでしたが、これは「どのような仕事ならやる気が起きるのか」という点が分かる指標でしたね。「達成動機・権力動機・親和動機・安全動機」の4動機がありましたが、それぞれ高・低で異なるため8パターンになります。
これらの動機を知ることで、社員に対しての仕事の振り分けや配属が非常にやりやすくなります。なぜなら、能力ベースではなくやる気をベースにできるからです。能力があってもやる気が起きない仕事が続くと、辛くなってやがて退職してしまいます。
つまり、EQのような個人の特性を知ることは、仕事のミスマッチを無くすことになるんです。人材確保においては、待遇や環境だけでなく「仕事への動機(やる気)」という特性を見ることも非常に大事であることを決して忘れないでください。
以上、EQの「仕事への動機」についての説明でした。