あおり運転の心理、EQ視点で説明しました

あおり運転の心理、EQ視点で説明しました

あおり運転心理を、EQ視点で説明していきます。読者対象は、あおり運転をする人の心理を知りたい方です。加害者の心理だけでなく、原因や対処方法についても詳しくご紹介しています。

なぜ、あおり運転の心理をEQ視点で考えるのか?

「あおり運転をする人はどんな心理なんだろうか?」と考えたために、あなたはこのページをご覧になられていると思います。ドライブレコーダーの普及により、あおり運転の実態が次々と暴かれていますので、興味を持たれる方は少なくないでしょう。

ところで、あおり運転をしてしまう人は、感情コントロールに何らかの問題が潜んでいます。ですが、これは特定の人に限ったことではなく、だれでもやってしまう可能性があることですので、その心理をしっかり知っておくべきだと思うのです。

そこで心理学の一種である『EQ』を通して、なぜあおり運転をしてしまう人がいるのか、心理を解き明かしていこうと思います。

あおり運転の心理を、EQ視点で詳しく説明します。

それでは、あおり運転の心理をEQ視点で詳しく説明します。ポイントは7つありますので、最後までしっかりと目を通してください。

あおり運転とは?

最初に、あおり運転についてどのような行為であるか、おさらいしておきましょう。

あおり運転とは、一般道や高速道路において他車に幅寄せしたり、車間距離を詰めたりと危険な運転行為を行うものです。当初、このような行為を取り締まる直接的な法律がありませんでしたので、危険な運転ではあるものの法律上の定義はありませんでした。

しかし、令和2年6月30日から「妨害運転罪」が創設されたことにより、どのような行為があおり運転となるのかが定義され、それに当てはまる場合は検挙されるようになりました。

具体的には、以下のような危険行為が検挙対象です。(政府広報オンラインより引用)

  1. 車間距離を極端に詰める(車間距離不保持)
  2. 急な進路変更を行う(進路変更禁止違反)
  3. 急ブレーキをかける(急ブレーキ禁止違反)
  4. 危険な追い越し(追越しの方法違反)
  5. 対向車線にはみ出す(通行区分違反)
  6. 執ようなクラクション(警音器使用制限違反)
  7. 執ようなパッシング(減光等義務違反)
  8. 幅寄せや蛇行運転(安全運転義務違反)
  9. 高速道路での低速走行(最低速度違反)
  10. 高速道路での駐停車(高速自動車国道等駐停車違反)

これらの罪で検挙された場合、一発免停(免許取消し)となります。それだけ、重い罪であることが分かると思います。

あおり運転の原因とは?

道路によって原因には多少違いがありますので、分けてお話しします。

高速道路の場合

高速道路では、追い越し車線をゆっくり走っている車が原因になる場合があります。「ここまでスムーズに走ってきたのに邪魔をする奴がいる」と思うようです。また、無理な車線変更や割込みがあった場合にも、それが原因になるようです。

一般道の場合

また、一般道でもゆっくり走っている車が原因になる場合があるようです。他には、路地からの合流や車線変更が強引だったりすると、「なんだコイツ無理なことをしやがって!」と感じてしまうのが原因になるようです。

しかし、これらの自分勝手な運転は、思い込みの場合も少なくありません。つまり、あおり運転をした本人が勘違いしているようなのです。もちろん、本当に問題のある運転をしている人もいますが、だからと言ってあおってよいわけではありません。

なぜあおり運転をするのか?

では、なぜあおり運転をしてしまうのでしょうか? これは、大きく分けて2つのパターンがあるようです。

報復行動

1つ目は、報復行動としてのあおり運転です。これは、危険な運転をされたとか邪魔をされたと感じたことにより、怒りがこみあげて行動に移ったというパターンです。一言で言うと、怒りを抑えられない方が起こしてしまう傾向にあります。

カッとなったら思わず手や口が出てしまう人は、あなたの周りにもいるかもしれませんが、その感覚に近いものがあるでしょう。ですが、日常生活ではそんなに激しくなくても、車を運転すると感情の起伏が大きくなる人も少なくないようです。

このように、報復行動としてあおり運転をしてしまう人は、怒りが抑えられないのが原因の一つにあると考えられます。

教育的指導

もう1つは、教育的指導を狙いとしたあおり運転です。これは、問題のある運転に遭遇したと感じて、「あいつの運転はおかしい。教えてやらなくては!」という正義感からあおり運転をするパターンです。やや捻じれた正義感だといえます。

この場合に厄介なのは、あおり運転をしている人に全くその自覚がないところでしょう。仮に理解していても、必要悪であると思っていますので、問題のある行為であるという認識は希薄であると考えられます。

このように、教育的指導としてあおり運転をしてしまう人は、誤った正義感が原因の一つであると考えられます。

あおり運転をする人の人間性とは?

ところで、あおり運転をする人はどのような人なのでしょうか? 人間性については、根っからの悪人でもないようです。確かに、「妨害運転罪」が創設されたのは悪質なドライバーが発端ですが、多くの場合にそうでもないようなのです。

まず、あおり運転をする人は大部分が普段の生活で大人しいようです。ところが、車に乗ってハンドルを握ると人が変わってしまいます。というのも車は丈夫で大きな力もあるので、それを操ると自分も強くなったように感じてしまうのだとか。

すると、普段は抑えている怒りが車を運転しているときには爆発してしまうのです。相手が誰であろうと負ける気がしないのでしょう。それと同様に、強い力を背景に正義感を発揮して世直しをする感覚であおる人もいるようです。

あおり運転をする人は、人間性に問題があると考えている方は多いと思いますが、決してそうではないのです。日常では問題ないものの、車を運転するときだけ豹変するような人が非常に多いのです。つまり、だれでもあおり運転をする可能性があるといえるでしょう。

あおり運転をしないための対処方法とは?

あおり運転をしないための最も簡単な方法は運転しないことですが、さすがにそれでは解決になりませんので、平常心で運転できるように対処方法を考えていきましょう。

怒りを抑える方法を考える

怒りを抑えられないのが原因であおり運転をしてしまう人は、やはり怒りの抑え方を学ぶべきでしょう。いわゆるアンガーマネジメントと呼ばれるものですが、これによって怒りの気持ちをコントロールすることができます。

よく言われるのが、「6秒間ガマンする」というものです。理論上、人間は6秒間抑制できれば気持ちが萎えるというのです。ですが、瞬間湯沸かし器のように怒りと同時に行動するような人だと、難しいかもしれません。

そこで、筆者独自のやり方を披露しますと、何らかの理由を勝手に想像するのです。人間は理由があると納得しますので、それを利用します。例えば、猛スピードで通り抜けた車に対して怒りを覚えたら、「きっとトイレへ行きたいのだろう」と勝手に想像します。

すると、トイレへ行きたいから猛スピードを出しているという見解になるので、むしろもっとスピードを出して急ぐべきだと思えるでしょう。このような、合理的な理由を勝手に想像するという方法は使えますのでおススメですよ。

多様性を受け入れる

多様性を受け入れるということも大事です。つまり、世の中には様々な人がいるので、自分の意にそぐわない人も存在するということを受け入れるのです。指導目的であおり運転をする人は、自分の価値観こそが絶対的に正しいと思い込んでいる傾向にあるからです。

「甘いものはおいしいけれど辛いものはまずい」というのは個人の価値観であって、全体の共通した思いではありませんよね。全く逆に考えている人も大勢います。世の中には様々な人がいて、自分とは違う感覚の人が存在するということを理解すべきでしょう。

このような理解ができれば多少のことなら大目に見ることができるようになり、そもそも怒りを持たなくなるし、自分が標準だといった思い込みもなくなるのではないでしょうか。

あおり運転に遭わないための対処方法とは?

一方で、あおり運転に遭わないための対処はあるのでしょうか? これは、ちょっと気を付けるだけで可能な場合があります。というのも、きっかけのほとんどが被害者側の些細な行動にあるからです。

先ほども説明しましたが、あおり運転をする人は勘違いしている場合が多いのです。例えば、高速道路の追い越し車線でスピードが遅い車に出くわすと、「俺の邪魔をしている」と勝手に思い込むのが多いパターンです。

あおられた人は道路を法規に従って走っていますが、あおる方はそうは思っていないのです。すると、勘違いさせないことが重要になります。運転の際に、「法規上は正しいけれど、これでは勘違いされるかもしれない」という感覚を持つことも重要なのです。

道を歩いていて、目の前から明らかに暴力団員と思われる人が歩いてきたときに、正面衝突するようなコースを歩くでしょうか? 揉めないようにそっとよけますよね。多少理不尽に感じても、日常的に厄介事は避けているはずです。

法令順守は大事なのですが、それによって誤解を与えるような状況になるようであれば、流れに乗った走り方をするのも重要なのです。「自分は正しい」と頑なになることなく、柔軟に対応しましょう。

もちろん、無理な割込みなどはあおられる原因になりますよ。

EQによる感情コントロールとは?

最後に、EQによる感情コントロールについてお話しいたします。

EQとは何かを説明します。読者対象は、EQがどのようなものであるか知りたい方です。できるだけわかりやすく、EQの重要性や高め方、あるいは有効な場面について解説しています。

EQは感情能力のことで、自分の感情をコントロールすることができるようにトレーニングすることができます。感情能力を高める目的は、対人能力を高くすることにあります。簡単に言うと、人付き合いを円滑にするということです。

どのように人付き合いをよくするのかというと、自分の感情だけでなく相手の感情を感じ取って気持ちをうまく調整するということで対処します。このような対応は、まさにあおり運転を起こさない、あるいはきっかけを作らない能力であるといえます。

つまり、EQ力が高い人はあおり運転をしない(きっかけを作らない)ということが言えるのです。もちろん運転だけでなく、日常生活や仕事場で人間関係を円滑にするためにもEQは力を発揮します(むしろこちらが本来の目的)。

したがって、自身のEQを知って感情能力を高めることがきわめて重要なのです。ちなみに、感情能力はEQ検査を受けることで分かりますので、一度受検してみることをお勧めします。

まとめ

ここまで、あおり運転の心理をEQ視点で説明してきましたが、いかがでしたでしょうか?

あおり運転をする人の多くは性根から悪いのではなく、怒りがコントロールできなかったり、ちょっとした勘違いから危険行為に至るということがお分かりいただけたと思います。あおり運転に至るきっかけは、被害者側にきっかけがあることも知っていただけたでしょう。

もちろん、あおる側が悪いことは間違いなのですが、勘違いさせないことも重要なのです。あおる側もあおられる側も、相手の気持ちを汲み取って大きな問題にならないようにすることも必要なのです。いわゆる「大人になる」というやつですね。

このような感情コントロールは、EQ力が高い人ほどうまくできています。感情能力を高めることを意識することで、あおり運転を予防するように努めていただければ幸いです。

以上、あおり運転の心理をEQ視点で説明しました。

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